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◆受講生 Aさん◆

 

【第一回実技講習】

 

落倉湿原 栂池高原  1月13日14日

机上での講習を終え、いよいよ実技講習。他の受講生の方々とは住んでいる方角の違う私は一人最寄の駅でピックアップしてもらいますが今後の実技講習を通してずっと講師の方に送迎までしていただくところを一人の為に別コースで恐縮です。宿泊先に到着後は深夜にも拘らず先着組みと合流して軽い酒宴。翌日に向けて不安と緊張で一杯だった私も多少緊張を解いて明日を迎えることが出来ました。

13日はいよいよ私にとって始めての山スキーの始まりです。踵の上がるビンディングも後ろに下がらないシールも全て不思議な感覚です。今日は近くの落倉湿原でセルフレスキューの訓練。ビーコンの操作については以前に習ったことがあったのですが今回の講習で強く感じたのはビーコンの操作訓練ではなくレスキューの訓練だということです。深い雪の中でのビーコンを使っての捜索訓練は雪と戯れて楽しいのですが、のんびり探していると「人の命が懸かってるんだから走れ」との指示が飛びます。午後は講師の名演技の下に実践的なチームレスキューの訓練です。その場の状況に合わせたいろいろな判断やチームでの役割分担がいかに難しいかを実感しました。まだ名前も完全に覚えきっていない中での役割分担は事前に決めていても実際にやってみると細かい部分のコミニュケーションが取れていないと痛感しました。

14日は場所を栂池高原に移動して安定度評価とレスキューの講習です。講習場所までは私にとっては始めてのシール登行で、新雪の中をスキーで真直ぐに上っていく感覚はつぼ足ともスノーシューとも違って不思議な感覚。山スキーは殆どの人は滑るために登るのでしょうが、登りは登りで楽しくてこれだけでもはまりそうです。

午前中は安定度評価の講習で、今まで何気なく見ていた雪が雪面の下では複雑に変化していることが解り大変興味深いものでした。

午後は場所の移動中の突然のレスキュー訓練です。昨日十分に教わったはずなのに突然の対応は状況判断、役割分担の難しさを再認識させられました。またイブちゃんを使っての救出訓練も前日の宿での講習とは違い実際の斜面・状況で非常に良く理解できたと共に、訓練ではありますが気持ちの上でも少し実際の遭難の状況になり気が引き締まりました。

2日間を通してほぼ受講生と同じ人数の講師の方々の細かなそして真剣な教えに楽しむためには十二分な準備が必要と痛感しました。

 

【第二回実技講習】

 

かぐらスキー場     2月4日5日

今回はいよいよ私にとっては始めての本格的なオフピステです。期待よりも皆さんに着いて帰ってこられるかが不安です。最終のリフトを降りるとシールを着けてオフピステに入っていきます。何処から登るのかと思っていると講師の方々は事もなく雪の壁を登っていって驚かされます。しかし直ぐになだらかな雪原になり朝の不安も忘れて先頭を交代しながら気持ちよく登っていきます。

稜線直下でCTを終えると滑降開始。ゲレンデの脇位しか滑ったことがないのでワクワク・ドキドキです。緩斜面なので何とか滑りますが思ったようにコントロール出来ません。ゲレンデスキーとは別物だと感じました。ただその浮遊感は何とも言えず、皆さんが「一度味わったらやめられない」と言っているのがまだほんの入り口なのでしょうが解ったような気がしました。

ゲレンデに戻った後は横滑り・木の葉落としなどの練習をして早めに今宵の宿「和田小屋」に入ります。和田小屋はお風呂も有り、食事も小屋とは思えない豪華なもので卒業生を交えて楽しい食事でした。しかし二日酔い→行動食を捕らない→シャリバテ で体調不良でその後の宴には参加せず早々に休むこととしました。(ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした。)

翌5日は昨日より少し奥の中尾根を滑ることに。登りは生徒たちでルートを探しながら登ります。晴天の中景色に見惚れながら気持ちよく登り、稜線に出ると厳冬期の冬山の景色を堪能することが出来ました。中尾根のからの滑降は昨日に引続きフカフカの深雪で楽しみましたが、尾根からのドロップインで転倒して動けずに悪戦苦闘していると後ろで「雪崩」の叫び声。無理な体勢から振り返ると少し離れた後ろで雪崩が・・・。離れているのでこちらには来ないだろうと分かっても一抹の不安がありましたが、直ぐに上で見ている仲間を思い出し何かあっても助け出してくれるだろうとチームで山に入ることの大切さを痛感しました。

今回の山行は一人雪にまみれながらスキーの楽しさを再認識するとともに、次回への期待と不安を更に大きくする山行でした。

 

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【第三回実技講習】

 

    ・鍋倉高原    2月18日19日

今回はビバーク技術講習。前回の講習で深雪の楽しさに目覚め今回もスキーそのものも楽しみですが、今回は以前からやってみたかった雪洞泊が体験できるとあってワクワクです。

初日、雪が深いために山頂を諦めて途中から稜線を目指し適地を見つけて雪洞を掘ることに計画を変更しました。この辺りの状況判断も自分で出来たかと思うと非常に勉強になりました。またビバーク地の直前で“ドン”という音がしたと思うと目の前を猛スピードで流れていきました。雪崩の速さに驚くとともに前回に引続き今回も雪崩を目撃して、講習はしていてもあまり身近には思っていなかった雪崩が急に現実味を帯びてきて身の引き締まる思いがしました。

楽しみにしていた雪洞は想像以上に楽しく快適なものでした。掘るのにはそれなりのパワーが必要ですが出来てしまえばテントとは比較にならないくらい中は快適なことにビックリです。驚いたことがもう一つ、我班では年下の生徒より一番年配のT講師が一番パワフルだったこと。コツもあるのかなぁ。他の班を回ってみると夫々に工夫した快適な雪洞で各講師の個性が感じられ一口に雪洞と言ってもいろいろ有るのだと感心させられました。これからも機会があれば雪洞でのフォーキャストビバークを楽しんで行きたいと思います。

 

【第四回実技講習】

 

   ・蓮華温泉   3月24日25日

早いものでもう卒業山行。山スキー学校に申し込んだときの期待と不安はさらに大きくなり、誰も踏んでいない斜面に飛び込んで行きたいという気持ちと皆さんに着いて行けるかという不安が交錯するまま卒業山行を向かえました。

初日は小雪の降る中登り始めましたが次第に風が強まり天狗原では結構な強風になり、自分ひとりだったら引き返すだろうと思うと仲間と居ることがいかに心強いものかを痛感しました。その後も一時晴れましたが小雪のまま谷に入った後は風もそれ程ではなく雪に埋もれた蓮華温泉に到着しました。到着後は一部屋に集まって自然のきのこの和え物・鍋・チーズフォンデュなど皆も持ち寄った多彩な料理と第3回の雪洞での反省を生かした十分な量のアルコールで夕食を挟み一部二部とおおいに盛上りました。

二日目は起きてみると昨夜からの雪で大量の新雪。本日は一部登りは有るものの殆どが下りの行程でさぞかし素晴らしい滑降が待っているかと思いきや、急な斜面は滑れるものの緩斜面では下りでもラッセルが必要です。スタート直後こそ先行パーティーのトレースがありましたが、直ぐに追いつくと先頭を交代してその後は木地屋まで皆で交代しながらの下りラッセルでした。1日目の強風、2日目の下りラッセルとなかなか厳しい山行でしたがその分印象深い山行となりました。

また、私は一日目に腰を痛めてしまいまともに帰ることが出来るのかさえ不安でしたが、皆さんに気を使っていただき荷物を持ってもらったりラッセルをもらったりしてなんとか無事に下りてくることが出来ました。本当に感謝でいっぱいです。ありがとうございました。山に行くときも一人で行くことの多い私にとって今回の山行は仲間のありがたさや重要性を痛感する貴重な体験となりました。

 

【総括】

 

全体を振り返り、まず講師の方々に心から感謝します。殆どの講師の方が生徒最年長の私より年配であるにも関わらずはるかにパワフルで好奇心旺盛で、殆ど手弁当で教えてくださった上に行き帰りの運転までしていただき本当にありがとうございました。

山スキーが全く未経験の私が大きな不安を抱えてTYG第9期に申し込み、今全課程を修了して不安は消えていませんが山スキーの魅力には取り付かれそうです。今回の山スキー学校をきっかけに今後も何らかの形で山スキーをつづけて行きたいと強く思っています。