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◆◆第二回実技講習◆◆

【山域・場所】上越・かぐら

【日程】   2011年2月4日(金・夜)~6日(日)

【目的】   深雪訓練

 

●受講生 5

 

 このレポートは、今後TYGウェブ・サイトへ掲載されることにより、将来TYGへ参加を検討される方が参照することを想定して記させていただく。

1)日程について

講習前日(2月4日):東京駅集合→民宿ぎえもん泊

第一日目(2月5日):民宿ぎえもん→かぐらスキー場駐車場→ロープウェイ~リフト~ゴンドラ→山頂駅・和田小屋(荷物デポ)→高速リフト→シール登行開始→第5リフト上にて小休止→神楽ヶ峰方面との分岐→霧ノ塔手前の分岐→滑降開始→雁ヶ峰→ゴンドラ山麓駅→ゴンドラ→和田小屋

第二日目(2月6日):和田小屋(荷物デポ)→高速リフト→シール登行開始→神楽ヶ峰方面への分岐→神楽ヶ峰→田代・かぐら連結コース(?)→和田小屋→(ゲレンデ組・BC組別行動)→和田小屋集合・下山開始→かぐらスキー場駐車場(第3回講習打合せ・解散)→東京駅着

 

2)交通手段について

 私は東京駅八重洲口に集合し講師の車に乗り合わせての移動であった。「極めて」スムーズ・快適な移動で「民宿ぎえもん」へ到着することが出来た。深夜に休憩もせず運転していただいた講師には感謝。宿舎到着前にコンビニにて買い出し。

 復路はスキー場駐車場で解散後、大きな寄り道もせずに帰路につき、途中で小休憩・運転交代をしながら、渋滞もなく東京駅へ到着。

 

3)宿舎について

 「民宿ぎえもん」は女将がお一人で切り盛りされていた。到着時にも入浴の用意をしていただいたが入眠優先で入浴はせず。朝食も充分な量を美味しくいただきました。出発前にお湯の補充可。

 「和田小屋」はいわゆる山小屋をイメージしていたが、スキー場客を相手に営業していることもあり、山腹に在るにもかかわらずお風呂とシャワー洗浄機付トイレ、飲料自販機が完備。講師陣はいわゆる大部屋で雑魚寝、受講生が間仕切りのある「部屋」で寝かせていただき恐縮である。出発前にお湯の補充可。

 

4)ルートおよび活動内容について

 初日は曇り空、時より降雪。かぐらスキー場駐車場からロープウェイ、リフト、ゴンドラを乗り継いで和田小屋へ移動。移動途中に横滑り(木の葉落とし)の講習あり。

 和田小屋で荷物をデポし第1高速リフトにて移動後、シールをつけての登行開始。最初にビーコンチェック。その後は稜線までの登行が続く。個人的には本格的なシール登行は初めてだった(第1回実技講習では悪天のため長い距離を登行しなかった)ので、難度の低い斜面にもかかわらずスキー操作に手間取る。途中講師から一言アドバイスをいただき、それを意識しながら試行錯誤。

 営業休止の第5リフト上付近にて小休止。ここで行動食と水分を補給したが、行動開始後間もなかったため少量で済ませた。この後行動食と水分補給が出来なかったこともあり、結果としてはここでもう少し補給しておくべきだった。

 さらに登行後稜線へ出て、神楽ヶ峰方面との分岐を霧ノ塔方面へ進む。ここからはシールをつけたままの滑降と登行を何度か繰り返す。シールをつけたままの滑降も慣れない感覚に苦戦。とにかく実地で慣れるのみ。

 つづいて霧ノ塔手前のピーク直下の斜面は板を担ぎツボ足登行。先行した講師や受講生の方は上手に歩くが、私は重量があるのとバランスが悪いためか、頻繁に踏み抜きその都度独りラッセル状態。踏み後を崩してしまったため後続の方にはご迷惑をお掛けし恐縮。

 ピークを登り切ってからシールを外して滑降開始。深雪や木立の中、ルートを外さないように滑降することが初体験であることに加え滑降技術も未熟なため「滑降訓練」にならず。滑降で試行錯誤を試みれば転倒し、転倒すると深雪のためリカバリーに時間と体力を大きく消耗するということを繰り返した。さらにピークを登り切ったところで行動食と水分を充分補給すべきであったがそれを怠ったため、この滑降時の体力消耗により低血糖状態となり筋に力が入らず、途中からはひたすら集団を見失わずについて行くことに専念せざるを得なかった。私はこれまでは決して多いとは言えない単独山行の経験のみだったため、山行時のペース配分は自らで計画し自らの判断で調整してきたが、今回は集団での行動ということもあり、事前の計画(確認)が不十分だったことと、現場で集団に合わせすぎてしまったことがこうした結果を招いたのでは、と反省。またビンディングの調整不足で板を頻繁に外してしまったことも反省材料。

 課題山積ながらもなんとかゲレンデまで到着、和田小屋へたどり着いた。滑降時の転倒により右手首挫傷したらしく腫れがひどかったため、入浴・夕食・ミーティングを終えた後、ビンディングの調整を行い早々に就寝。

 二日目は前日から一転、快晴に恵まれ行動中にも遠景を堪能できた。前日同様、高速リフトを降りた後シール登行開始。個人としては前日に引き続きシール登行時のスキー操作を意識的に練習。コツはつかめてきた。

 天候に恵まれ景色を堪能しながらの行動となったため、気分的にはあっという間に稜線の分岐点へ到着。稜線上を前日とは反対方向へ少し移動しシールを外す。前日の反省点を活かし、ザックを下ろす機会があるごとに行動食と水分をマメに補給。全身の筋には前日の低血糖によるダメージ(筋疲労)が少し残っていたため、滑降時は体力を無駄に消耗せず、できるだけ温存するような行動を心がけた。前日はトレースを忠実にたどることを意識しすぎて自分のペースを考慮できなかった点を反省し、トレースで方向を確認しつつ自分の滑りやすいルートを見つけて進むようにした。滑りについても余計な試行は避けて「転ばないこと」を最優先にし、「滑る」と言うより「移動」したと言う感じであった。単独山行しか経験のない私にとって、集団で行動する場合には自分が体力を消耗し集団について行けなくなると集団を危険にさらすことにもつながりかねない、と言うことを考える良い機会であったと思う。

 この日は行程自体が短いこともあり、各人が景色と滑りを楽しみながら、ゲレンデを経由して和田小屋まであっという間に降りてくることができた。この後は小屋付近のゲレンデで滑りを練習するグループと、再度バックカントリーを楽しむグループとに分かれて行動し再集合。駐車場へ下山後に次回講習の打合せをし、各車ごとに解散となった。

 

5)講習について

 今回、受講生が安心して講習に参加し充実した時間を過ごすことができたのは、講師の皆様による多大なご尽力があったからこそであり、厚くお礼申し上げます。毎回に渡っての山行計画立案から宿泊施設の手配、各方面への手続き等、公私共にご多忙の合間を縫ってご準備いただき、多くのご苦労がおありだったこととお察しいたします。

 そのような状況を理解した上で敢えて、今後のTYGの講習がより一層充実していくことを願っていくつか要望を申し述べます。

①「実技講習において、行動予定を事前に地形図を元にして確認していただく時間を設けて欲しかった」:もちろん、個人として地形図は事前に用意・確認し、関連情報はネットにて下調べをした上で各講習に参加するのは当然だと思います。また行動中に状況判断を行いながら行動するため事前の計画通りに進まないこと、また恐らく講師の皆様にとっては慣れ親しんだフィールド故、地形図の確認も必要がないことも理解できます。しかし受講生(少なくとも山行機会の少ない私)にとっては、今回のどの山行も実地で雪山を体験する貴重な機会でした。できれば前夜か初日朝に15分程度でも良いので地形図を見ながらルート確認やルート上の留意ポイント(特に雪崩斜面)の確認を行っていただきたかった。また実地でも当日の気象状況などを加味した上でルート上からの目視にて雪崩地形の確認を行うといった内容も意図的に取り込んでいただければなお一層充実したのではないかと感じました。雪山や雪崩に関する「知識」は書籍等の活字にて独学できますが、実地において経験豊富な講師陣の「生の講義」を聴く機会こそが、こうした講習へ参加することの意義だと思います。少なくとも「学校」と称して講習を催すのであれば講師の皆様にもより積極的にこうした内容へ取り組んでいただければと思いました。

 

②「『東京山スキー学校』開校のポリシーに対して講師陣が共通認識を持ち、各講師の言動についてはその実現に向けて整合性を持たせて欲しい」:回りくどい言い方で恐縮ですが、私から見て各講師が各々独自の目的意識に基づいて当学校での講師活動を行っているように感じました。各講師の目的達成のために学校を利用しているという構図に見えたのです。しかし本来は「学校」が開校コンセプトやポリシーを掲げて、その実現に見合った人材を講師として指名するのが本筋だと思います。

 もちろん、講師諸氏はボランティアで関わっていらっしゃること、それによって受講生が納める受講料が格安でおさまっていることなどは重々承知しているつもりです。プロの講師という立場ではなく金銭的見返りもない以上、精神的な見返りとしてご自身の何らかの欲求を満たそうという気持ちは十分理解できます。それをご自身の心に秘めるなり講師陣内での話で止めておくなら、受講生の立場から意見する権利はないと自覚しております。ただしそのことを受講生の前で公言したり講習中に行動に移してしまうと、当学校に対する受講生の信頼感は大きく損なわれると思います。

 これは恐らく、いち山岳会が会の活動の延長線上で「講習会」と称する活動ならば、問題ないのかもしれません。しかし山岳連盟という「山岳会」レベルを超えた公共性のある団体を背景にして、NPO法人というさらに公共性を強めた団体が「学校」と称して行う講習となると、私のような一般人にはそうした認識を持つ者もいると言うことを知っていただければ幸いです。

 僭越な言い方をいたしましたが、今回の講習は私にとって価値あるものであったことは疑いありません。講師も受講生も多彩な顔ぶれ、ディープな経験を有する方ばかりで、集団山行経験のない私にとっては貴重な時間でした。卒業山行が中止になったのはとても残念でなりません。今回知り合えた皆様とは、またいつか山行を共にさせていただければ幸いです。ありがとうございました。

 

●受講生6

 

2011/2/5(1日目)

 金曜夜に出発し深夜に宿に到着するはずでしたが、私たちは意外と早い時間に宿に着きました。新幹線より早かったかもしれません。

初日は神楽峰から雁ヶ峰に向かい、ゲレンデに入って和田小屋へ戻るコースでした。神楽峰は昨年4月、私が初めて山スキーに行った場所で、その時はついて行くのに精一杯で、コースを見る余裕はありませんでした。今回、深雪滑走のコツがつかめることを期待し参加しました。

まず、ゲレンデで横滑り、木の葉落とし等の練習を行いました。横滑りは基礎スキーでも練習しますが、山スキーの場合は安全に降りるために必要な技術でとのことでした。実際今回の山行でも役立ちました。講師の方々がやると簡単そうでしたが、私はスキーが前後したりトップやテールが落ち気味になったりとなかなか安定しませんでした。うまく板の真ん中にのれておらず、山に入る前から技術不足を感じてしまいました。

 最上部のリフトを降り、シールをつけてから、まずビーコンチェックをしました。ビーコンチェックは毎回同じ方法で行いました。簡単なことですが、やり方を決めておくと人数が多くてもスムーズにできます。また、その間、ちょっと待ち時間ができるので装備の再確認もできます。神楽峰へは、最初は緩やかな登りでしたが、徐々に斜度が増してきました。それでも雪質がよく、シールが良く効いて順調に登ることができました。今回はラッセル訓練するほどの積雪なかったのがちょっと残念でした。神楽峰から清八の頭までは、シールをつけたまま登りと滑走が続きました。昨春初めて来たときには、稜線のシール滑走で何度も前のめりに転倒したので、注意して滑りました。あまり自信は無かったのですが、先行者のトレースを追ってゆくことで、とりあえず無難に通過できました。清八の頭はツボ足でしたが、講師の方が踏んでくれたおかげで、しっかりとしたステップができそれほど苦労せずに登れました。雁ヶ峰から滑走は、それほどの深雪ではなかったのですが、ゲレンデとは勝手が違い苦労しました。やはり急に滑れるようにはなりません。板を縦向きにして、かかとで押す感じで滑るとコントロールしやすいとのことでした。確かに、深雪では直線的に行くほうが滑りやすい気がしましたが、私にはまだスピードのコントロールは難しく、暴走気味になりました。スキーの先が雪面に刺さりそうな気がして後傾になってしまったのも、暴走の原因かもしれません。雁が峰からゲレンデに出るまでには樹林帯の急斜面があり、今朝習った横滑り、木の葉落としが役立ちました。無事ゲレンデに出たときはホッとしました。

 和田小屋に泊るのは初めてでした。回廊のような部屋をカーテンで仕切っているだけなのですが、意外と落ち着いて修学旅行のような感じがしました。暖炉を囲みながらの歓談も楽しいものでした。また泊りに行きたいと思える宿です。

 

2011/2/6(2日目)

 2日目は神楽峰から田代スキー場に降りました。シール登行は前日の半分程度でした。天気もよく稜線がきれいでした。滑走前に、コンプレッションテストを行いました。当日は55センチのところに弱層(こしもざらめ雪)がありましたが、シャベルコンプレッションテストでは、腕全体で7-8回たたいて破断する程度だったので、概ね安定と判断し滑走を開始しました。田代までは比較的斜度はゆるかったのですが、なかなか思ったとおりに滑れません。転倒が怖いのか、滑っているうちにどうしても後傾気味になってしまいます。滑走のリズムをつけるためには、うまい人の後ろを着いてゆくのが良いのかもしれませんが、講師の方々のスピードにはとても着いてゆけませんでした。今回の講習で、ゲレンデ外の滑走の大変さを実感しました。

 山スキー学校の講習では、講師の方々からワンポイントアドバイスを何度も頂きました。いろいろ考える機会を与えていただき、少しずつですが私の中で山スキーの知識が有機的につながりを持ち始めた気がしました。また、講習中は常にどこかで見守って下さり、とても安心感がありました。丁寧にご指導頂き本当にありがとうございました。

また、今期の受講生の皆さんは山の経験が豊富な方々ばかりでしたので、最初は緊張しましたが、皆さんとても親切で楽しいときを過ごせました。大変感謝しております。

 知識も技術もまだ不十分ですが、講習を通して自立した山スキーヤーになるきっかけはつかめてきたと思います。今後も安全を第一に山スキーの経験を積んで行くつもりです。また、卒業後も機会があればご一緒したいと思います。講師ならびに受講生の皆さん、ありがとうございました。