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◆◆第四回実技講習◆◆

 

【山域・場所】       北アルプス・蓮華温泉

【日程】      2010年3月26日(金)夜~28日(日)

【目的】      総合実践山行

 

受講生10  A班

 

27日(土) 栂池ゴンドラ終点9:20⇒天狗原11:00(休憩)11:15⇒振り子沢入口11;30(CT)12:10 ⇒1575m地点13:00(休憩)13:20⇒林道13:30⇒蓮華温泉13:45

28日(日) 蓮華温泉7:35⇒下降点8:10⇒ヤッホー平⇒栂平9:50⇒角小屋峠10:20(CT)11:10 ウド沢 ワサビ沢⇒白池12:00(休憩)12:30⇒木地屋13:00

 

卒業山行のメンバーが鍋倉の雪洞訓練の終わりに発表された。雪洞訓練は3名ずつ4班に分かれていたが、卒業山行は4名ずつの班編成となり、雪洞訓練のわがB班は解体され、私は雪洞訓練A班に入れていただくとになった。平均年齢も高いが、技術も高そうなグループである。講師はS山さんとM橋さんである。鍋倉の山荘で役割分担を決める。リーダーはM本さん、サブリーダーはH口さんにお願いすることになる。

後日、新宿に集まりそれぞれが持ち寄った資料をもとに検討する。コースや装備などについて、いろいろ話し合って大体イメージができる。あとはリーダーのM本さんがまとめてくださることになる。

直前になって、メンバーのひとりのI藤さんが風邪のため参加できないことになり、3人となる。4人で話し合ってきたこともあり、卒業山行はぜひとも一緒に参加したかったので、本当に残念に思った。I藤さんはもっと残念に思われているだろう。彼女の思いも共有して3人で頑張ることにする。

 

27日(土)

当日は晴れのち雪の予報で、午後は天気が崩れることも予想される。落倉山荘を7時半出発。栂池ロープウェイに並ぶ。すでに長い列ができているが、ロープウェイが動き始めるとスムーズに進む。ゴンドラ終点でシールを張り、出発。少し離れたところでビーコンチェックし、天狗原目指してジグザグに登っていく。A班はM本Lを先頭にトレースのないコースを独自で登る。適度な傾斜で登りやすい。S山講師からキックターンの要領を伝授していただく。途中1回休憩し、天狗原に着く。ヘリで来た人たちも居て、かなり大勢の人がいる。風が強いので、祠の前で記念撮影をして振り子沢の入口に移動、ここでCT。雪が固く掘るのに時間がかかるが、安定していると判断。

いよいよ下り。下り始めはいい斜面であるが、思ったより重い雪でほとんどの人が転倒。先頭はM本さん、ラストはH口さん。H口さんから深雪の滑り方についてアドバイスを受けるが、なかなかうまくいかない。それでも何とか転ばずに滑る。あまり休憩せずにきたので林道に出る手前で昼食を兼ねて大休止。林道に出て橋を渡り、少しのぼり返す。途中、明日のコースを確認し蓮華温泉到着。C班とほぼ同時の到着であった。行動中は何とか天気はもったが、宿に到着後、雪が降り始めた。

荷物を整理し、さっそく温泉に入ってゆったりする。雪のある季節は、はるばるスキーで滑ってこないと来られない山の中に、こんなにいい温泉があるなんて。ここまで来た者だけが味わうことができる幸せをしみじみと味わう。食事までの間、持ち寄ったお酒やおつまみで大いに盛り上がる。B班のワイン6リットル始め、手作りのおつまみやお酒がいっぱい。こんなに重いものをここまで背負ってきてくれた皆さんに感謝しながらいただく。宿の食事はあまり期待できないとの情報もあったが、十分満足できるものであった。夕食後も、宴会は続くようであったが、私たちは体力がないので明日に備えて早めに就寝。

 

28日(日)

 朝風呂に入り食事を済ませ、宿の前で集合写真撮影。各班、ビーコンチェックをして出発。A班はビーコンチェックの仕方について、チェックする人がsendにするかsearchにするかで、少し議論になる。昨日通った林道を少し引き返して沢に滑りこむ。だいぶ深雪にも慣れてきた。途中、シールを付け少しのぼり返してヤッホー平。雪倉が目の前に見える。雪倉は私が山スキーを初めて体験した思い出深い山である。30代の頃は体力もあり、怖さも知らず何でもできた。今は無理だろうなあと思いながら眺める。

 林道を少し歩き、栂平から角小屋峠へ登る。少し傾斜がきついが、キックターンをしながら斜めに何とかシールで登る。峠に登ると、台地になっており見晴らしがよい。前を行っていたパーティの人たちも休んでいる。ここで休憩し、少し下ったところでCT。1週間前の黄砂の層がはっきりと見え、その上に新雪が30㎝程積もっている。黄砂の層が弱層になっている。

滑り出しのところで大転倒。ファットの板が雪にもぐりこんでしまい、ひとりでは足を動かすこともできず、S山講師に助けていただいてやっと起き上がる。その後は何とか順調に滑って、沢を渡ったところで前を行くパーティに追いつく。ここからは少し登りになるので、今までラッセルしてくれたパーティに代わって、M尾校長、M橋講師、S山講師、M本Lが交代でラッセル。樹林帯を快適に滑って、白池のあたりでゆっくり最後の休憩をとる。林道に出るとスキーがよく滑り、前の人にぶつかりそうになるので少し間隔を取って滑る。木地屋に到着すると、丁度林道の雪がきれる所で、他のパーティのタクシーがタイミングよく待っている。われわれは予想よりも早く到着したので、タクシーはまだのようである。少し待って4台に分乗して栂池の駐車場まで行く。

 

【私の反省】

・地図上でコースをしっかり検討したにもかかわらず、滑りだしてみると地図と実際の地形は感じが違い、また道標もあったので現在地をしっかり確認することなく滑ってしまったこと。

・メンバーで協力する卒業山行であったが、M本LやH口SLにいろいろな面で頼りがちであったこと。

S山講師、M橋講師には私たちの行動をじっと見守りつつ、要所では適切なアドバイスをいただいた。

 

【講習全体を通じての感想】

毎回、みんなについていけるかと不安であったが、なんとか無事全日程を終えることができた。講師の先生方、受講生の皆様に本当に感謝の気持ちでいっぱいである。オプションを含めて5回の実地練習を通じて、受講生同志の仲間意識や連帯感が徐々に深まり、いい仲間ができた。この講習を受けて本当によかったと思っている。

深雪を滑れるようになりたい。ビーコンやプローブを使えるようになりたい。地図を読んで自分でルートを決められるようになりたい。この講習を受ける目的はいろいろあったが、基礎からしっかり教えていただいた。技術はすぐには上達しないが、頭では理解できた。これからさらに練習してマスターしたいと思う。若い人の体力と上達ぶりにはかなわないが、私も自分のペースで山スキーを楽しんでいきたいと思う。皆様これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。

 

受講生11  A班

 

【卒業山行(蓮華温泉)雑感】

 A班は、平均年齢は少しだけ高いものの、私を除く皆さんは、日頃からトレーニングを重ねておられる方々でしたので、体力的にも、また滑りの面でもレベルの高い班だなと感じました。つたない私のリードにも余裕を持って対応してくださり、2日間を通して「スピードとパワー」をもって卒業山行を楽しむことができたように思います。2日目の木地屋への下りでは、他のパーティの方と先頭ラッセルを交代して進んだりもして、「協力」という、有意義な実地講習が体験できたのかな、と思いました。

【雑感その2】

 パジャマを持参された講師が蓮華温泉に出現しました。一日の行程を終え、あの湯に浸かって、マイパジャマに着替えるなんて・・やられましたね!

 

受講生12  B班

 

3/26(金)都内各集合場所08:30頃発、

深夜に白馬村「落倉荘」着、暫し懇談の後、各自持参のシュラフにて就寝

3/27(土)晴れ、午後小雪ちらつく、夜風強し

「落倉荘」07:30発→栂池ゴンドラ08:10発→ロープウェー・自然園09:20発→10:50天狗原・祠→14:40蓮華温泉

3/28(日)曇り、晴れ、前夜からの積雪が10cm程

蓮華温泉07:30発-(林道を行く)→ヤッホー平→10:40角小屋峠→13:30木地屋(~タクシーで栂池スキー場駐車場へ)

 

<記録/第4回実技講習>

3/27(土)

ゴンドラ乗場で「登山届」提出、ロープウェーに乗継ぎ栂池自然園へ。シールを着け、成城大小屋左手から取り付く、ビーコンチェック(注1)。先行数パーティーあって、トレースがしっかりとある。注1.リーダー・受信、他・送信モード。

天狗原は風強いが寒くはない、視界よし。視界ないときをイメージして、コンパス、地図で方向を確認してみる。小休後、シール着けたまま出発、ヘリポートから歩いてくるスキーヤーと交差する。ヘリポート少し上(標高2,150m地点)で弱層テスト(注2)。今から思えば、他班が先行していたのでと、殆ど疑問を持たず、その近くでテストを行なったのは、考えが足りないと言われてもごもっとも。この後、シールを外し、左手の振子沢へ滑り込む。注2.「手首」3回目ほどで最上層(新雪10cm程)の層がズレルが、その下は続くコンプレッションでも変化なし

振子沢は、沢といえどもそれほど深くなく明るい、滑り屋にとっては結構楽しめるところだろう。我が班も、それぞれ、慎重、夢中、苦闘、果敢、風格、華麗、悠然(って失礼ながら表現させていただきました、いかがでしょう?)の感の下滑って行く。

 振子沢から左岸尾根への分岐(標高1,700地点)はこの時刻トレースあり、また指導標もあって問題なく通過、ただ、尾根へのトラバースは雪崩危険カ所で、通過は間隔空けるなど注意すべきところ(後で講師から注意を受ける。)。尾根に上がって休憩後、中の沢へ入る。間もなく心配していた中の沢橋、乗鞍沢橋の通過となるが、この日はいずれも問題なし。乗鞍沢橋を過ぎ、左へのカーブで、明日のヤッホー平への下降点、コースを確認する(結局、B班の場合、ここから下降することはなかったが)。

 蓮華温泉では、先着の他班が迎えてくれ、長いような短いようなこの日の行動が終わった。温泉、懇親会、夕食、ミーティングで講師から講評を(注3)受け、心地よく就寝。夜、風で窓がゴトゴトと鳴っていた。注3.温泉での講師コメント:①振子沢入り口でのCTは、場所は適切だったか?②リーダーとして、的確なメリハリある行動指示ができていたか?③雪崩危険カ所の通過時の行動(間隔を空けて)は適切だったか?

 

受講生13  C班

 

1日目

栂池自然園~天狗原~振り子沢~蓮華温泉

 始発の栂池ゴンドラ・ロープウェーを乗り継ぎ栂池自然園駅に到着。駅のロビーで遭難対策協議会の方より雪崩事故を防ぐための立入禁止場所、雷鳥保護のレクチャーを受ける。ここで各班に分かれて、ビーコンチェックの後出発する。今回は卒業山行ということで生徒が主体的に行動していかなければならず、まずはルートの確認をしながら登り始める。尾根上のルートを通り、天狗原を目指す事とする。天候にも恵まれ、これから目指す天狗原に続く斜面や背後には雨飾山方面の展望を見ることができた。天狗原まで登ると白馬乗鞍までの大斜面までが良く見え、既にノートラックの斜面を頂上より滑降するパーティもいるから驚きだ。計画では天狗原の祠周辺で休憩する予定だったが、強風のため振り子沢の源頭部まで移動して昼食休憩する。

 滑り始める斜面にCTテストを行なう。CTM17で1週間ほど前に降った雨で氷結した層の上に新雪が50CM程度積もっている状態だが安定している状態との判断で振り子沢に向け滑り始める。沢の中へ降りると雪質が大きく変わった。CTテストを行なった沢上部の風で雪が飛ばされる斜面と沢中の飛ばされた雪が堆積する斜面では状況が違うのが当然だが、なるべく滑降する斜面と同等の場所としてCTテストの場所を決めたつもりであったが、反省すべき選択でした。沢の中ではやや重めのパウダースノーの斜面をみんな思い思いのシュプールを描きながら下る。先行するA班のトレースを辿りながら、C班のメンバーは大きなトラブルや転倒もなく下る事できた。途中2箇所ほど雪崩の危険がある斜面では先頭を滑るI藤さんの判断で間隔を空けて通過する。ほどなく林道に出て、全員無事に蓮華温泉に到着する。

 

2日目

蓮華温泉~ヤッホー平~角小屋峠~木地屋集落

 昨晩の内に10CM程度の積雪があり雪の状態もまずまず、シールを付けて蓮華温泉を出発する。ヤッホー平に向かって滑り降りる地点までは林道をシール歩行で進む。弥兵衛川の左岸を滑り降り、1480m地点で沢を渡りヤッホー平に向け登り返して又林道に出る。角小屋峠の登りでは新雪と先行パーティのラッセルに助けられシール歩行で登ることができた。峠に到着すると周りの山々を見渡せる大展望が得られた。ここで、昼食休憩をとる。ほどなく、A班とB班も到着して、今日初めて全員が揃った。山行中の登りもほぼ終わり、後は木地屋集落までの大滑降を残すのみだ。峠から下り始めた斜面でCTテストを行なう。南斜面で雪質もザラメ上に変わり、安定している状態だ。峠からの斜面を下ると沢の右岸をトラバース気味に進む。途中対岸にカモシカを見ることができた。白池の周辺で休憩して、後は林道をひたすら滑ると木地屋集落に無事到着した。1月の栂池から始まった各講習の思い出が走馬灯のように甦る。1月の早大小屋前の斜面ではこんなにしっかり滑れなかったはず。C班全員が技術・体力・経験の面で相当レベルアップできたのではないかと思います。

これも全てM尾講師、H谷講師、M紀講師を始めとした講師の方々の熱い指導と忍耐強くお付き合い頂いたお蔭です。1シーズンを通じてご指導いただくことにより、次の山行までに各人が自分自身の課題を見つめ直す時間があり、生徒間での情報交換も得られ、大変すばらしい思い出をつくることができました。ありがとうございました。