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◆受講生 Eさん◆

 

第1回

 

21組で行ったビーコン捜索では自分の持つビーコンの特性について知ることができた。トリプルアンテナとシングルアンテナの差は歴然で、シングルアンテナでも習熟する事により差は縮めることはできるかもしれないが追いつくことは難しいと感じた。現時点で製品化されているビーコンの性能はほぼ値段に比例していると言えるらしいので今度買う時は値段にとらわれずに基本性能や評判を参考に購入しようとおもう。

その後のチーム捜索では事前にリーダーを決めて実際に雪崩に巻き込まれたパーティーの救助を想定し、運良く難を逃れた登山者を落ち着かせパーティーの情報を聞き出し救助要請を行い自分たちの安全を確保した上で残留物やデブリの跡を参考に遭難者の捜索を行った。現実では自発的に行動できるだろうか。捜索に於いても、ともするとビーコンに頼りがちであるが、冷静さを失わず周囲をよく観察して考えながら捜索を行うことが重要ということ。

この日の晩に机上講習で捜索後に行う遭難者の救命措置について習ったが眠くてよく覚えていない。

2日目は栂池高原の林道途中で周囲の状況から雪崩地形かどうかを判断しいかにリスクを軽減するかを考える。そして積雪層の構造、状態、温度、硬さなどを調べる。調べるのは面白そうだが、取得したデータの整理や体系化について興味がある。そしてそれをどう行動の参考にするか。CTにしても同じ。これから積み上げていこうと思った。

ひと通り実技講習を終えて下山中に模擬雪崩に遭遇したパーティーに助けを求められる。事前に勘付いていたので当たり前だけど慌てずに捜索を行う事ができた。ただ、遭難者の発見に至るまではスムーズに行えたものの、救出は手間取ってしまった。遭難者の呼吸を確認したり、顔に雪がかからないように除去したり、体を動かさないようにしたり、机上講習で習ったはずだがよく覚えていなかった。

 

第2回

 

深雪は苦手。ツアーモード搭載のビンディングが欲しい。もっと練習しなければと思う。中尾根の雪崩を目撃。

 

3

 

薄々感づいていたが今年は天気に恵まれていないようだ。計画していた雪洞予定地点まで行けそうにないので雪洞適地を探しながら進む。自分には何となく何処にでも掘れそうな気がしたが沢が下の集落の水源なので出来るだけ離れる必要がある。また、ある程度斜度もないと掘るのは大変であるし、樹木の多い所では雪に隠れた潅木が出てくる事もあるので、場所選びにも経験が必要に思えた。

先を目指す途中で目の前を雪崩が流れているのを見てこれ以上先へ進むことを止め、少し上へ上がった所に雪洞を掘ることにした。目の前を流れた雪崩は小規模に見え、ほとんど末端部であったために速度もそれほどなかった様だった。

班によって雪洞のコンセプトがまちまちであり、個人的には狭い所が苦手なので広く作りたかったが、我が三尾班は現実に雪洞を掘る事態に陥ったときを想定し、1時間30分で風雪を凌げるレベルにして最終的には3時間での完成を目指した。前述の理由により主に雪の搬出を行うが、出来るだけ斜面の下の方へ捨てないと後から出てくる雪が行き場を失うの結構大変だった。搬出の途中、斜面の上で低いブッという感じの音に気づいた。ワッフ音というらしい。回数を重ねるにつれ足元の雪が動く感じも加わり、ひび割れも確認できるようになってきた。足元が動く感じは何となく気持ち悪く感じた。

雪洞はほぼ目標どおりの時間で完成した。居住性も悪くはない。緊急時に居住性を求めなければ1時間30分あれば十分ということも分かった。最初からシートを敷いてブーツを脱いでブーツのインナーだけを履いた。シートは寝る直前に敷くポリシーの人もいるらしい。他班の雪洞もそれぞれ個性があって面白い。

翌日は雪の状態を勘案し、登らずに引き返すことになった。出発前のCTでも目の前を流れた雪崩の原因となったらしい層もあった。それに実際にワッフ音を聞いたら先にいこうとは思えなくなると思う。

 

20120218 185617

 

4

 

最後の蓮華温泉ツアー。欠席者が出て残念。6mmロープでシールの代わりの実演を期せずして見ることができた。出だしからつまずく。自然園から天狗原までの上りは風が強く、休憩をとるのも大変な程だった。天狗原は予想どおり方向が分かり辛く、コンパスで方向を定め道標の旗を目安に進んだ。初めてでこの天候ならば迷わず引き返していたと思う。天狗原を過ぎ下り始めの地点で休憩をとりついでにCTを行うために、休憩しやすい樹木の近くで斜度のある所を探す。CTは樹木の影響がないと思われるくらい離れた所で行った。なれてきたものの場所の選定と評価にはまだ悩む。勘で決定したくないと思ってはいても、まだまだ得られた情報を活用するには力不足とかんじる。

降雪は続き視界が悪く、斜度が緩い所ではラッセルとなる。明日は降れるか少し心配した。

翌日も同じように降雪が続いていた。視界が悪く道標を探すのも一苦労。休憩時にはツェルとを積極的に使おうと思うも、風が強くてなかなか上手くいかずに時間をくってしまった。途中でビンディングのプレートが脱落行方不明になりヒヤリとしたが、行動に支障はなかったので助かった。ずっと溶けたアイスを担いできたが、最後にみんなに喜んで貰って良かった。