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◆◆第一回実技講習◆◆
【山域・場所】 北アルプス・栂池高原 【日程】 2010年1月15日(金)夜~17日(日) 【目的】 雪崩訓練
受講生1 A班
今回の山スキー学校を受講し、地図読み、シャベルコンプレション、ビーコン操作の大切さを痛切に感じました。 地図読み出来ていると、遭難事故等で救助要請が必要になった場合自分の現在地の確認が出来早く救助をしてもらえる。 シャベルコンプレションは雪崩事故の可能性を予期できる。 シャベルコンプレションは今回始めての経験でしたが、雪の降り積る質によって断面が変わり手首、ひじ、腕と振り落とす大きさで簡単にずれてしまうことには驚きでした。 以前(14~15年前)ゴールデンウイークに劒沢~二股~小窓雪渓~白萩川~番場島へツアーのときは、表層雪崩の小さい番にあいターンをするたびに流され、怖い経験をしました。 このときもテストをしていれば怖い経験をしないで済んだかも知れません。 ビーコン操作は何度か講習を受けておりましたがアナログからデジタルに機種変更し、取説を読んだだけでは分からずにいました。 S井先生の説明でビーコンを捜索モード切替で出た数字は距離ではなく単なる数字として捕らえる事、が何度か練習をする事で納得できました。 救助の模擬テストのとき、要請があった場合はリーダーの指示で行動をとる様にでしたがパニックなり何をすればよいか忘れてしまい場所の確認も余りせずプローグでめったやたらと突いたりしていました。また、第二班の見学の時には冷静に見つめ反省をしました。 講習会の時でこのようにパニックになるのですから、不幸にも事故に合った時にはかなりパニックになりそうな感じです。ならない為にも会の仲間に今回講習で受けた知識を伝へ、安全に楽しく山スキーをしたいと思います。
受講生2 B班
(1) 行動記録 ①1/16(土) ・落倉荘前からシールを付けて自然園へ向かう。ビーコン操作方法の説明を受けた後、2~3人/組に分かれて 互いのビーコンを雪に埋め、反復練習。 ・昼食後、プローブの操作説明。その後、2班に分かれて 山行中の別パーティ雪崩遭遇者レスキューを想定して 1班×2回づつ交互に練習。 ・得にビーコン/プローブの使用方法習熟、捜索時の注意点、初動捜査の重要性について重点的に説明を受ける。 ・帰宿後、地図とコンパスの使用法についての説明。
②1/17(日) ・2班に分かれ、栂池スキー場/早稲田小屋上部まで移動。途中、ビーコンチェック方法、歩行ルートの選び方、キックターン、ラッセル時の板の運び方、地形/雪の状態/雪崩の跡への配慮、天候予想等、都度指導受ける。 ・CT(シャベルコンプレッション)説明。講師の詳細説明後、実際に各自がCT練習。 ・講師によるスキージャンプテスト。 ・昼食後、鵯峰の中腹まで移動し、班毎に早稲田小屋まで滑走。直後、抜打ちにて雪崩遭難者捜索練習。 ・ゲレンデを経由して下山。
(2)感想 まったく山スキーの経験/知識がなかった為、全てが新しく、まさに「耳・ダンボ」で臨んだ。 初日、ビーコンを埋めての練習では実際には人を捜索する為の道具である事を途中で改めて思うと怖くなり、冬山で“遊ばせてもらう“為に必要な知識を早く、多く、身に付けなければと再認識。 特に繰り返し行われる、雪崩遭難者の捜索練習は何度やっても改善すべき点が多く、今後山スキーを続けていく中で毎年反復練習が必要だと感じた。 一方で、様々な山行の話を講師陣/講習生の皆さんから聞き、また、(小学生のように・・・?)楽しんでいる姿をみて、リスクマネジメントが出来ていればどんなに楽しいフィールドであるか、ということも実感できた。行動の幅を広げて様々な山を滑る山スキーヤーに仲間入りしたい、その為には経験を重ね、知識とリスクマネジメント能力を身に付けなければと思う講習だった。 真剣に山と遊びに取り組む皆さんとご一緒させて頂き、とても楽しく、有意義な時間を過ごすことが出来ました。有難うございました。これからもよろしくお願い致します。
受講生3 C班
<1日目> 朝起きると、一面の雪景色。前日の晩まで降った新雪で、白馬の山々には最高のパウダースノーがタップリ蓄えられているのが一目瞭然であった。「こんなコンディションの中、麓でビーコントレーニングか…」と若干残念な思いに駆られる。 しかしながら、山スキーを始めるにあたって初歩中の初歩であるこのトレーニング。 講習を進める中で、その大切さを直ぐに実感する事となりました。 以前から、本等で捜索方法や注意点を勉強しているつもりでしたが、実際に自分でやってみると上手くいかず、“訓練”という事は分かっているのに、焦って空回りしてしまいました。 実際、落倉自然園で実施したシミュレーションでは、自分がリーダーとなった時にボロが沢山出てしまいました。 S井講師から教えていただいたポイントは忘れないように留めておきたいと思います。 ・リーダーを決める(事前に決めておく) ・リーダーは捜索に加わらない(全体を把握する) ・自分たちパーティーの安全を確保する。(2次災害を防ぐ) やはり、こういった技術は自分で体験しないと身に付かないという事を痛感しました。 今後も積極的にトレーニングに参加したいと思います。
<2日目> 栂池スキー場上部でのCTチェック・ルッチブロックテスト等の講習を実施。 私にとって初の本格的な山スキー経験となったこの日は、講習当初から目から鱗の情報が満載でした。 朝、スキー場トップに向かうロープウェーの中では、S井講師から ・こういう時間に自分が滑る斜面の状況を見ておくこと。 と早速のチェックポイント。 シール登行中には班を率いて下さったS山講師からは ・斜面の形状から、雪崩発生の危険性を見ること。(生えている木々の様子から、過去に雪崩が発生しているかどうかが分かる。雪崩が発生していると、木々が成長せず周りと比較して細くなっている。) ・ストックやプローブで雪の状況を確認しながら歩くと、沢山の情報を得られる。 ・シールで斜面を登る時のコツ。(斜登行時のキックターンや体重の掛け方)等を教えていただきました。 何れも、その後の山行で実践して、役立っています。 行動開始時のビーコンチェック・CTチェック等の積雪観察についても、前日のビーコントレーニング同様、自らが体験することで身につく技術であることを実感しました。
山という大自然の中で遊ぶ事はとても楽しく、やめられそうにありません。しかしながら、自然相手のこの遊びは常にリスクと背中合わせです。 この2日間で「このリスクをいかに回避&軽減するか?」ということの基本を教えていただき、山スキーのスタートラインに立つ事ができたと思います。今後の山行では、このときの意識と教えを常に忘れずに携帯させていただきます。 最後に、講師の方々・同期生の皆様には大変お世話になりました。講義開始時は山に対する知識が皆無で、さほど興味もなかった私が、数ヶ月後の今ではすっかり山の虜です。これからの山遊びの中で、皆さんと出会って得た経験と知識をフル活用していきたいと思います。
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