第8期
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◆◆第二回実技講習◆◆

【山域・場所】上越・かぐら

【日程】   2011年2月4日(金・夜)~6日(日)

【目的】   深雪訓練

 

●受講生 5

 

 このレポートは、今後TYGウェブ・サイトへ掲載されることにより、将来TYGへ参加を検討される方が参照することを想定して記させていただく。

1)日程について

講習前日(2月4日):東京駅集合→民宿ぎえもん泊

第一日目(2月5日):民宿ぎえもん→かぐらスキー場駐車場→ロープウェイ~リフト~ゴンドラ→山頂駅・和田小屋(荷物デポ)→高速リフト→シール登行開始→第5リフト上にて小休止→神楽ヶ峰方面との分岐→霧ノ塔手前の分岐→滑降開始→雁ヶ峰→ゴンドラ山麓駅→ゴンドラ→和田小屋

第二日目(2月6日):和田小屋(荷物デポ)→高速リフト→シール登行開始→神楽ヶ峰方面への分岐→神楽ヶ峰→田代・かぐら連結コース(?)→和田小屋→(ゲレンデ組・BC組別行動)→和田小屋集合・下山開始→かぐらスキー場駐車場(第3回講習打合せ・解散)→東京駅着

 

2)交通手段について

 私は東京駅八重洲口に集合し講師の車に乗り合わせての移動であった。「極めて」スムーズ・快適な移動で「民宿ぎえもん」へ到着することが出来た。深夜に休憩もせず運転していただいた講師には感謝。宿舎到着前にコンビニにて買い出し。

 復路はスキー場駐車場で解散後、大きな寄り道もせずに帰路につき、途中で小休憩・運転交代をしながら、渋滞もなく東京駅へ到着。

 

3)宿舎について

 「民宿ぎえもん」は女将がお一人で切り盛りされていた。到着時にも入浴の用意をしていただいたが入眠優先で入浴はせず。朝食も充分な量を美味しくいただきました。出発前にお湯の補充可。

 「和田小屋」はいわゆる山小屋をイメージしていたが、スキー場客を相手に営業していることもあり、山腹に在るにもかかわらずお風呂とシャワー洗浄機付トイレ、飲料自販機が完備。講師陣はいわゆる大部屋で雑魚寝、受講生が間仕切りのある「部屋」で寝かせていただき恐縮である。出発前にお湯の補充可。

 

4)ルートおよび活動内容について

 初日は曇り空、時より降雪。かぐらスキー場駐車場からロープウェイ、リフト、ゴンドラを乗り継いで和田小屋へ移動。移動途中に横滑り(木の葉落とし)の講習あり。

 和田小屋で荷物をデポし第1高速リフトにて移動後、シールをつけての登行開始。最初にビーコンチェック。その後は稜線までの登行が続く。個人的には本格的なシール登行は初めてだった(第1回実技講習では悪天のため長い距離を登行しなかった)ので、難度の低い斜面にもかかわらずスキー操作に手間取る。途中講師から一言アドバイスをいただき、それを意識しながら試行錯誤。

 営業休止の第5リフト上付近にて小休止。ここで行動食と水分を補給したが、行動開始後間もなかったため少量で済ませた。この後行動食と水分補給が出来なかったこともあり、結果としてはここでもう少し補給しておくべきだった。

 さらに登行後稜線へ出て、神楽ヶ峰方面との分岐を霧ノ塔方面へ進む。ここからはシールをつけたままの滑降と登行を何度か繰り返す。シールをつけたままの滑降も慣れない感覚に苦戦。とにかく実地で慣れるのみ。

 つづいて霧ノ塔手前のピーク直下の斜面は板を担ぎツボ足登行。先行した講師や受講生の方は上手に歩くが、私は重量があるのとバランスが悪いためか、頻繁に踏み抜きその都度独りラッセル状態。踏み後を崩してしまったため後続の方にはご迷惑をお掛けし恐縮。

 ピークを登り切ってからシールを外して滑降開始。深雪や木立の中、ルートを外さないように滑降することが初体験であることに加え滑降技術も未熟なため「滑降訓練」にならず。滑降で試行錯誤を試みれば転倒し、転倒すると深雪のためリカバリーに時間と体力を大きく消耗するということを繰り返した。さらにピークを登り切ったところで行動食と水分を充分補給すべきであったがそれを怠ったため、この滑降時の体力消耗により低血糖状態となり筋に力が入らず、途中からはひたすら集団を見失わずについて行くことに専念せざるを得なかった。私はこれまでは決して多いとは言えない単独山行の経験のみだったため、山行時のペース配分は自らで計画し自らの判断で調整してきたが、今回は集団での行動ということもあり、事前の計画(確認)が不十分だったことと、現場で集団に合わせすぎてしまったことがこうした結果を招いたのでは、と反省。またビンディングの調整不足で板を頻繁に外してしまったことも反省材料。

 課題山積ながらもなんとかゲレンデまで到着、和田小屋へたどり着いた。滑降時の転倒により右手首挫傷したらしく腫れがひどかったため、入浴・夕食・ミーティングを終えた後、ビンディングの調整を行い早々に就寝。

 二日目は前日から一転、快晴に恵まれ行動中にも遠景を堪能できた。前日同様、高速リフトを降りた後シール登行開始。個人としては前日に引き続きシール登行時のスキー操作を意識的に練習。コツはつかめてきた。

 天候に恵まれ景色を堪能しながらの行動となったため、気分的にはあっという間に稜線の分岐点へ到着。稜線上を前日とは反対方向へ少し移動しシールを外す。前日の反省点を活かし、ザックを下ろす機会があるごとに行動食と水分をマメに補給。全身の筋には前日の低血糖によるダメージ(筋疲労)が少し残っていたため、滑降時は体力を無駄に消耗せず、できるだけ温存するような行動を心がけた。前日はトレースを忠実にたどることを意識しすぎて自分のペースを考慮できなかった点を反省し、トレースで方向を確認しつつ自分の滑りやすいルートを見つけて進むようにした。滑りについても余計な試行は避けて「転ばないこと」を最優先にし、「滑る」と言うより「移動」したと言う感じであった。単独山行しか経験のない私にとって、集団で行動する場合には自分が体力を消耗し集団について行けなくなると集団を危険にさらすことにもつながりかねない、と言うことを考える良い機会であったと思う。

 この日は行程自体が短いこともあり、各人が景色と滑りを楽しみながら、ゲレンデを経由して和田小屋まであっという間に降りてくることができた。この後は小屋付近のゲレンデで滑りを練習するグループと、再度バックカントリーを楽しむグループとに分かれて行動し再集合。駐車場へ下山後に次回講習の打合せをし、各車ごとに解散となった。

 

5)講習について

 今回、受講生が安心して講習に参加し充実した時間を過ごすことができたのは、講師の皆様による多大なご尽力があったからこそであり、厚くお礼申し上げます。毎回に渡っての山行計画立案から宿泊施設の手配、各方面への手続き等、公私共にご多忙の合間を縫ってご準備いただき、多くのご苦労がおありだったこととお察しいたします。

 そのような状況を理解した上で敢えて、今後のTYGの講習がより一層充実していくことを願っていくつか要望を申し述べます。

①「実技講習において、行動予定を事前に地形図を元にして確認していただく時間を設けて欲しかった」:もちろん、個人として地形図は事前に用意・確認し、関連情報はネットにて下調べをした上で各講習に参加するのは当然だと思います。また行動中に状況判断を行いながら行動するため事前の計画通りに進まないこと、また恐らく講師の皆様にとっては慣れ親しんだフィールド故、地形図の確認も必要がないことも理解できます。しかし受講生(少なくとも山行機会の少ない私)にとっては、今回のどの山行も実地で雪山を体験する貴重な機会でした。できれば前夜か初日朝に15分程度でも良いので地形図を見ながらルート確認やルート上の留意ポイント(特に雪崩斜面)の確認を行っていただきたかった。また実地でも当日の気象状況などを加味した上でルート上からの目視にて雪崩地形の確認を行うといった内容も意図的に取り込んでいただければなお一層充実したのではないかと感じました。雪山や雪崩に関する「知識」は書籍等の活字にて独学できますが、実地において経験豊富な講師陣の「生の講義」を聴く機会こそが、こうした講習へ参加することの意義だと思います。少なくとも「学校」と称して講習を催すのであれば講師の皆様にもより積極的にこうした内容へ取り組んでいただければと思いました。

 

②「『東京山スキー学校』開校のポリシーに対して講師陣が共通認識を持ち、各講師の言動についてはその実現に向けて整合性を持たせて欲しい」:回りくどい言い方で恐縮ですが、私から見て各講師が各々独自の目的意識に基づいて当学校での講師活動を行っているように感じました。各講師の目的達成のために学校を利用しているという構図に見えたのです。しかし本来は「学校」が開校コンセプトやポリシーを掲げて、その実現に見合った人材を講師として指名するのが本筋だと思います。

 もちろん、講師諸氏はボランティアで関わっていらっしゃること、それによって受講生が納める受講料が格安でおさまっていることなどは重々承知しているつもりです。プロの講師という立場ではなく金銭的見返りもない以上、精神的な見返りとしてご自身の何らかの欲求を満たそうという気持ちは十分理解できます。それをご自身の心に秘めるなり講師陣内での話で止めておくなら、受講生の立場から意見する権利はないと自覚しております。ただしそのことを受講生の前で公言したり講習中に行動に移してしまうと、当学校に対する受講生の信頼感は大きく損なわれると思います。

 これは恐らく、いち山岳会が会の活動の延長線上で「講習会」と称する活動ならば、問題ないのかもしれません。しかし山岳連盟という「山岳会」レベルを超えた公共性のある団体を背景にして、NPO法人というさらに公共性を強めた団体が「学校」と称して行う講習となると、私のような一般人にはそうした認識を持つ者もいると言うことを知っていただければ幸いです。

 僭越な言い方をいたしましたが、今回の講習は私にとって価値あるものであったことは疑いありません。講師も受講生も多彩な顔ぶれ、ディープな経験を有する方ばかりで、集団山行経験のない私にとっては貴重な時間でした。卒業山行が中止になったのはとても残念でなりません。今回知り合えた皆様とは、またいつか山行を共にさせていただければ幸いです。ありがとうございました。

 

●受講生6

 

2011/2/5(1日目)

 金曜夜に出発し深夜に宿に到着するはずでしたが、私たちは意外と早い時間に宿に着きました。新幹線より早かったかもしれません。

初日は神楽峰から雁ヶ峰に向かい、ゲレンデに入って和田小屋へ戻るコースでした。神楽峰は昨年4月、私が初めて山スキーに行った場所で、その時はついて行くのに精一杯で、コースを見る余裕はありませんでした。今回、深雪滑走のコツがつかめることを期待し参加しました。

まず、ゲレンデで横滑り、木の葉落とし等の練習を行いました。横滑りは基礎スキーでも練習しますが、山スキーの場合は安全に降りるために必要な技術でとのことでした。実際今回の山行でも役立ちました。講師の方々がやると簡単そうでしたが、私はスキーが前後したりトップやテールが落ち気味になったりとなかなか安定しませんでした。うまく板の真ん中にのれておらず、山に入る前から技術不足を感じてしまいました。

 最上部のリフトを降り、シールをつけてから、まずビーコンチェックをしました。ビーコンチェックは毎回同じ方法で行いました。簡単なことですが、やり方を決めておくと人数が多くてもスムーズにできます。また、その間、ちょっと待ち時間ができるので装備の再確認もできます。神楽峰へは、最初は緩やかな登りでしたが、徐々に斜度が増してきました。それでも雪質がよく、シールが良く効いて順調に登ることができました。今回はラッセル訓練するほどの積雪なかったのがちょっと残念でした。神楽峰から清八の頭までは、シールをつけたまま登りと滑走が続きました。昨春初めて来たときには、稜線のシール滑走で何度も前のめりに転倒したので、注意して滑りました。あまり自信は無かったのですが、先行者のトレースを追ってゆくことで、とりあえず無難に通過できました。清八の頭はツボ足でしたが、講師の方が踏んでくれたおかげで、しっかりとしたステップができそれほど苦労せずに登れました。雁ヶ峰から滑走は、それほどの深雪ではなかったのですが、ゲレンデとは勝手が違い苦労しました。やはり急に滑れるようにはなりません。板を縦向きにして、かかとで押す感じで滑るとコントロールしやすいとのことでした。確かに、深雪では直線的に行くほうが滑りやすい気がしましたが、私にはまだスピードのコントロールは難しく、暴走気味になりました。スキーの先が雪面に刺さりそうな気がして後傾になってしまったのも、暴走の原因かもしれません。雁が峰からゲレンデに出るまでには樹林帯の急斜面があり、今朝習った横滑り、木の葉落としが役立ちました。無事ゲレンデに出たときはホッとしました。

 和田小屋に泊るのは初めてでした。回廊のような部屋をカーテンで仕切っているだけなのですが、意外と落ち着いて修学旅行のような感じがしました。暖炉を囲みながらの歓談も楽しいものでした。また泊りに行きたいと思える宿です。

 

2011/2/6(2日目)

 2日目は神楽峰から田代スキー場に降りました。シール登行は前日の半分程度でした。天気もよく稜線がきれいでした。滑走前に、コンプレッションテストを行いました。当日は55センチのところに弱層(こしもざらめ雪)がありましたが、シャベルコンプレッションテストでは、腕全体で7-8回たたいて破断する程度だったので、概ね安定と判断し滑走を開始しました。田代までは比較的斜度はゆるかったのですが、なかなか思ったとおりに滑れません。転倒が怖いのか、滑っているうちにどうしても後傾気味になってしまいます。滑走のリズムをつけるためには、うまい人の後ろを着いてゆくのが良いのかもしれませんが、講師の方々のスピードにはとても着いてゆけませんでした。今回の講習で、ゲレンデ外の滑走の大変さを実感しました。

 山スキー学校の講習では、講師の方々からワンポイントアドバイスを何度も頂きました。いろいろ考える機会を与えていただき、少しずつですが私の中で山スキーの知識が有機的につながりを持ち始めた気がしました。また、講習中は常にどこかで見守って下さり、とても安心感がありました。丁寧にご指導頂き本当にありがとうございました。

また、今期の受講生の皆さんは山の経験が豊富な方々ばかりでしたので、最初は緊張しましたが、皆さんとても親切で楽しいときを過ごせました。大変感謝しております。

 知識も技術もまだ不十分ですが、講習を通して自立した山スキーヤーになるきっかけはつかめてきたと思います。今後も安全を第一に山スキーの経験を積んで行くつもりです。また、卒業後も機会があればご一緒したいと思います。講師ならびに受講生の皆さん、ありがとうございました。

 
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◆◆第三回実技講習◆◆

【山域・場所】信越・鍋倉山

【日程】   2011年2月18日(金・夜)~20日(日)

【目的】   雪洞・ビバーク訓練

 

●受講生 7

 

TYG第8期 第3回実技講習 鍋倉山 雪洞訓練 C班レポート       

 【パーティー】 講 師:M氏、H氏

         受講生:S谷、M谷、F田

         居 候:テレマーク女子

         侵略者:匿名希望(ご想像通りです)

 

 今回のTYG-8第3回実技講習は、雪洞ビバーク訓練を通じて雪山での対応技術の幅を広げ、TYGの目的である「自立した山スキーヤー」を目指す上での重要な位置づけである。

第2回の神楽深雪講習において遅れをとった私は、必然的に荷が重くなる今回の実技講習には参加辞退も熟慮した上での参加であったが、神楽でお互いの体力・技量が把握でき、私のペースに合わせていただいたおかげでまたとない好天の中、初日は余力を残して稜線に立つ事ができた。さらに二日目は苦労しながらも神楽とは別人のようにツリーランを楽しむ事ができた鍋倉山となった。以下に若干の記録とともにその感想を述べる。

 2月9日(土)8:00民宿「大手荘」を出発。温井集落の標高560m除雪最終地点に車を置く。

9:10ビーコンチェック後、班ごとにシール登行にて鍋倉山の懐へ。10:00鍋倉山荘通過。身体の調子も出てきた。その後、標高950m付近の北斜面にてCTを実施。いつも行動の早いS谷さんが真っ先にピット掘りに着手。積雪は3m以上、20㎝の新雪層を確認。結果はCTNと判定。

高度を上げるにつれブナの森深く誘われ、青空と霧氷の花を見上げながら稜線を目指す。

11:50黒倉山から北東に派生する稜線へ飛び出ると黒姫・飯縄、妙高・火打等の頚城の山々そして日本海までが我々を迎えてくれた。振り返ると鍋倉山はこの時間も全山霧氷に輝いている。稜線にて全員で記念写真後、いよいよ稜線直下南側斜面1130m付近で雪洞構築にとりかかる。

 今回の雪洞訓練では、基礎的な不時露営技術を学び雪山生活技術の幅を広げることがテーマであったが、「いかに快適に楽しく飲める環境を整えるか」というモチベーションが勝り、M校長からは「趣旨と違う!」とのお叱りを受けながらも我がC班はM橋、H谷両講師の指導の下にしっかりと快適な居住空間を整えていった。

 このような遊び心を持ちながらも、M橋・H谷両講師の手強く硬い雪での効率のよい雪洞構築手順・手際、経験に裏付けされた高度な雪山技術に間近で触れる事ができ、2回目の雪洞訓練となる私は多少の知識はあったとはいえ、雪質による様々な対応技術は滑走だけではないことを改めて知る。また、この体験によって体力面での余力を残した早めの決断・行動の重要性と実際のビバークに遭遇した場合、この対応技術の差が明暗を分けるのか!ということも実感できた。

 夕日が妙高に傾きかける頃ようやく雪洞は完成。出入口にM橋講師お手製の扉がつくことで一段とグレードアップし楽しく夕餉が盛りあがったのもつかの間、この羨望の的となった雪の殿堂は足元のおぼつかない侵略者達によりその扉は破壊され、テントシューズの羽毛は無残にも飛び散り、食料、飲料用アルコール類は瞬く間に消費されていった。挙句はコッフェルの内容物は胃袋以外の部位にも吸収消費される事態となり、エアマットの下は朝までその液体に浸され快適性を追及した雪洞は瞬く間に変貌を遂げていった。このような不時露営?事態においても水の作り方、各種レシピ、ガスの燃焼効率改善、チタン製コッフェルでの炊飯(実はこれだけは失敗であった)など、お二人の講師の様々なノウハウや手際を拝見しながら22:30ようやくシュラフにもぐりこむことができた楽しく有意義な雪洞訓練初日であった。

来てよかった!!気温マイナス7度、無風。明日のパウダーに期待。

なお、この緊急事態のさ中にも熟睡のS谷さん、事態を承知でシュラフを持ち込み朝まで居候のテレマーク女子がいた事を付け加えておく。

 翌20日(日)は6時起床と同時に朝食準備にかかる講師の手際に再び感心。私はといえばシュラフやマットの収納に手間がかかり、結局出発は8時。もう少し大き目のザックにすることで柔軟な対応ができるのではないかと思いながらも、実はいつも荷物が多すぎてしまいうため、必要意最低限の荷の見極め・工夫が今後の課題であり重要な山の技術の一つであると感じた。

 外は今日も快晴、霧氷も変わらず輝いている。新たな期待を胸に稜線をシール登行。ほどなく到着した黒倉山は、夏は殆ど眺望がきかないそうであるがこの時期は360度の大パノラマだ。雪山に登る者へのご褒美に感謝。8:35今回の目的の山である鍋倉山に登頂。全員で記念写真。

 さあ、シールをはずしていよいよ滑走だ!身体のストレッチそして心の滑走モードON!

9:00不安と期待に逸る気持ちを抑え霧氷に覆われたブナの巨木の森に滑り込む。表層の新雪は私にはやや重い。と思いきや、お~ッなんと!板を回していく事ができる。よしっ次はあそこでターンだ!これがツリーランのパウダーってやつか。何と爽快な事か。思わず笑みがこぼれる。

 安心するのもここまで。先行の講師が待つ場所は急斜面の上だ。M谷さん、S谷さんは果敢に滑りこんで行くが私は斜面を覗くなりプライドを捨て斜滑降で急斜面回避を目論む。

斜度の緩い所を見つけては、腰の引けた大回りでなんとか急斜面下部に合流。この間、斜滑降に起因する局部的な表層のズレが発生したがこれが「スラフ現象」のひとつなのだろうか?そういえば滑走前にCTをやっていなかった。実施していたら果たしてどのような結果が出たのだろう。

 やっとの思いで急斜面を抜け再び集合するとそこには「森太郎」。「ブナの巨木の谷」の中でも圧倒的な存在である。講師の方々の先導で北斜面を拾いながら森太郎へ導いていただき感謝。

 ルートファインディングの妙、斜面の向きによる雪質の違いを実感できたツリーランであった。

いつの間にか霧氷も消え、春の気配を感じながら緩斜面をゆったりと滑走。10:00徐々に雪が重くなり太ももがつらくなってきたころM橋講師ゆかりの鍋倉山荘に到着。2階の積雪期出入口より小屋に入りスキーブーツを脱いでの大休止。

ここで第4回総合山行(栂池~蓮華温泉~木地屋)計画の打合せを行った後、名残を惜しみながら鍋倉山荘をあとにした。11:00すっかり春の陽気の温井集落に到着。板を脱ぎながら次回の蓮華温泉総合山行(東日本大震災により中止となった)に思いをはせ、次週のオプション講習に心弾ませながら自信回復のきっかけとなった鍋倉山に別れを告げた。

 今回は天候にも恵まれ、噂に違わず素晴らしい鍋倉山でのツリーラン!言葉にできない体験をさせていただいた。この体験を経験として蓄積し活かすことで次のステップにつなげたいと思う。

講師の皆さん、TYG-8受講生の皆さん、ありがとうございました。

 

●受講生8

 

 東京山スキー学校入校にあたり、個人的に最も興味があったのが、雪山でのビバーク技術の学習でした。そういう事もあり、鍋倉山での雪洞訓練山行には自然と気合いが入りました。前日夜、戸狩温泉の宿に集合し、翌日の山行について簡単な打合せを行い、翌日朝、温井集落の除雪終了点辺りから入山しました。快晴の中、シール登高で出発。程なくすると、なだらかな台地に出て、間もなく鍋倉山荘前に到着。小休止の後、黒倉山と鍋倉山の鞍部に突き上げている沢の右岸側を登っていきました。ブナの樹氷が青空に映えて、幻想的な世界にしばし目を奪われました。13時前に黒倉山の東側の稜線に到着。集合写真を撮った後、稜線から少し下った黒倉山の南東向き斜面で雪洞掘削を開始しました。

 自分の所属はB班。メンバーはM尾L、Y崎さん、N田さん、私の4名。掘削場所は、尾根直下の東側斜面の吹き溜まり場所で、上部の雪庇に注意する必要があるけれど、雪洞を掘るのに適した場所との事でした。手袋は冷えと濡れ対策のため、インナーは冬山登山用のウール手袋、アウターはホームセンターで購入した厚手のゴム手袋を使用しました。プローブを横に差し込み、雪の厚さが十分ある事を確認した後、スノーソーで入り口の切り込みを入れ、シャベルで入り口から掘り始めました。入り口のサイズは幅が1m程度、高さは人間が中腰で入れる程度でしょうか。最初は一人が先頭で掘って、他の三人が掘り出した雪を排出する作業分担で、先頭を順次交代しながら掘っていました。しばらくして雪洞内部の横方向の掘削が進み、二人が入れる大きさになった所で、掘削作業二人、排出作業二人に変更。雪の排出量が多くなり排出の効率が悪くなると、ツェルトを排出路に敷き、その上に掘り出した雪を載せ、ある程度雪がまとまった所で、ツェルトを引きずっていって斜面に雪を捨てるという作業になりました。他のある班では、ツェルトの代わりにブルーシートを利用していたのですが、観察していると、四隅+数カ所のハトメに紐で輪っかを作り、その輪っかを束ねて持って、ずるずる引きずって移動していました。こうした方が、雪で重いシートの移動は容易そうな気がしました。掘り進めるほど雪は固くなり、ブレードの先が数センチ程しか入らない位になったので、刺しながらシャフトを立てる様にして、テコの原理で雪をフレーク状に剥いでいきました。固い雪に対しては、シャベルのブレードは金属製の方が良いと聞いてましたが、加えて、ブレードの先端が尖り気味の方が硬い雪に刺しやすいという事で、なるほどと思いました。概ね二時間経過後、壁・天井の凸凹を均して仕上げ作業へ。内部の壁に棚を作り、入り口の上部にツェルトをストックで固定し、左右にツェルトを押さえるスキーを立てて完成。雪洞内部の広さは六人用テント程度ですか。M尾Lから二時間程度で作れる様にする事が肝心との話がありました。あまり広く作ると寒いとの事で、適度なサイズだったように思います。また、入り口付近を掘り下げると、出入りし易く、風も入りにくいとの事でした。夕食のメニューはM尾Lの手巻き寿司。生米を鍋で炊いて、酢飯を作り、刺身と薬味を乗せて、海苔を巻いて頂きました。Y崎さんも、自作の「きのこ漬け」などを出してくれて、贅沢な夕食を頂きました。疲れていた体に酢飯は格別で、食が進みました。自分の山行ではα米中心なので、生米を鍋で炊くというのがとても新鮮でした。その後、A班のT所Lの雪洞を尋ねましたが、広い…。T所L自作のイカの塩辛やマリネなどをご馳走になり、お酒を頂いている内に眠気に襲われ(いつもの事ですが)、途中から記憶が無くなりました。眠気には勝てず、N田さんと自分の雪洞に戻り、速攻就寝してしまいました。C班・D班の雪洞も見学したかったのですが…(汗)。

 翌日、朝食後に雪洞を後にして、黒倉山から鍋倉山まで稜線上をシールで移動。頂上から東向斜面を滑り下りました。まだ時間が早めで雪が緩んでなかった事もあり、滑り易い雪でした。途中、ブナの「森太郎」」の前で記念撮影。台地に下る最後の東向斜面は気持ちよく滑れました。途中、鍋倉山荘で卒業山行の打合せを行いました。残念ながら、震災で卒業山行は中止となりましたが…。

 

 実際に雪洞に泊まってみて、自分なりの新しい知見がありました。

・テントと異なり、コンロを焚いても雪洞内は暖かくならず

・天井から雫がもっと垂れるかと思っていましたが、ほとんど無し(時期的な要因もあると思いますが)

・常時 0℃位とは聞いていましたが、思ったより寒く、冬シェラフでも寒かった

・ロウソクの照明が綺麗(M尾Lは和ロウソクを持ってきていました)

・ロウソクの火は雪洞内の換気の目安にもなる

 

 大変勉強になりましたし、良い経験が出来ました。皆さんありがとうございました。

 

 

 
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◆◆第一回実技講習◆◆

【山域・場所】北アルプス・栂池高原

【日程】   2011年1月14日(金・夜)~16日(日)

【目的】   雪崩訓練

 

●受講生1 

 

 緊張間いっぱいで迎えた講習机上講習でお会いした講師の方々、受講者の皆様とはどのように接してよいのか、不安いっぱいで臨みました。最寄駅でピックアップいただき、車中でも楽しい会話で和む事ができました。深夜宿泊先の「落倉荘」に到着した時にはほとんどの方が到着されていましたが、ホッとしてすぐ休みました。

 14日は出発時から雪で、落倉自然園周辺での基礎訓練開始です。入り口でのビーコンチェック後、寒さの中2人1組でビーコン探索の開始です。新雪でしかも私達だけの足跡しかない場所でビーコンを隠すのは難しく工夫をしましたが、すぐ捜されてしまいました。2,3回繰り返すうちにお互いに見つけられないように、又見つけて欲しいとの気持ちで、いたわり思いやりも少し芽生えてきました。

 午後は2班に別れ、リーダー、見張り、ビーコン探索など役割分担して行いました。しかし、初対面での指示は遠慮も出てうまく機能しないと感じます。やはりチームとしては

回数を重ね、お互いの呼吸を読めるくらい訓練と人間関係を築いておく必要性を感じました。ぎこちないながらも何とかこなしましたが、講師の方々の巧みな隠す技術には戸惑い

ました。机上でのポイントは、遺留品の付近、植生の付近、雪崩の流れ方の把握をする等でした。その地点を捜索すると良いように埋めていただき実技として体得する良い訓練でした。

 夕食時は講師の方々も受講生のとの交流を積極的に進めていただき、地元の食材をふんだんに使った料理がより美味しくいただけました。楽しい夜でした、遠くで話声が子守唄のように聞こえていましたが、睡魔には勝てずグッスリ休みました。

 15日も雪が降り続いており、車道も除雪待ちの有様でした。早稲田小屋周辺での訓練予定でしたが、ゴンドラ上部からすぐの林道で行う事になりました。積雪3m位、気温はー16度じっとしていると寒さがしみてきますが、S講師は寒さも吹き飛ばす熱気で講義して下さいました。新雪も80センチメートル以上でいつ雪崩が起きてもおかしくない状況と説明があり、身長がスッポリ隠れる位深く掘り下げてCTテストを行いました。スノーソウもシャベルもスイスイ動くので力要らず、どこでも「握り拳が入る」この事体験は貴重でした。

 場所移動との指令で寒さから開放されと喜んでおりましたら、講師からいきなり雪崩遭難との指示、心の準備がないのに突然起きるのが現場では当たり前なのに全員戸惑う。昨日の訓練が確実に実践できていたが、植生の付近での捜索がうまく行かず時間を取られました。講師の方々のすばらしい演技力には脱帽です、ゾンデ棒に刺されても我慢してくださったり、捜索に時間がかかっても見守って下さった事感謝申し上げます。

 今回の講習で学んだ事は事故を防ぐ為の知識としては最小限でしょう。毎年繰り返し訓練し、初心者なりに体験を重ね、知恵として身につけてゆき末永く安全な山スキーを楽しみたいと思いました。

 

●受講生2

 

 先に机上で雪崩の基礎を学び、いよいよ実践での講習会。第一回実技ということで・・・まだお互いに皆さんの顔とお名前が一致せず、リフト券ホルダーにそれぞれ名札をつけて開始。

 1日目は宿舎「落倉荘」から歩き出してすぐの落倉自然園にて実習。まずは2人1組にてビーコンサーチ。十字法を用いて埋めたお互いのビーコンを探す。今回1本アンテナのビーコンから3本アンテナのビーコンに買い換えたので、どのよう違うのかを試すのが楽しみでもありましたが、3本アンテナは本当に早くて正確なのでビックリしました。一緒に組んだIさんとは違う種類の機種でしたので、途中で交換して試したりもして実験。埋められた状態の向きによって反応が違っていたりするので、自分のビーコンの特徴をよく理解しておくのも大切だと思いました。

 その後、2班に分れてより実践に近い形での「救助シュミレーション」。それぞれ役割を決めて捜索する。リーダー役を交替し、何度もシュミレーションするうちに何となくチームワークも良くなり素早くできるようになってきました。震える寒さの中、「遭難者」になりきり雪に埋まって弱々しく笛を吹いていたO講師の根性には頭が下がりました。(場も和みました・・・)リーダーがいかに大切か、そして慌てないで冷静になることが大事!ということがよくわかりました。

 宿舎に戻り「コンパスの使い方について」の座学。実際にT講師が利用している地形図を見せていただく。さまざまな書き込みがしてあり、保管方法なども教えていただいた。

 2日目は栂池ゴンドラ上部からシールで早稲田小屋周辺まで登る予定が、昨日から雪がやまず「危険」との判断で少し登ったあたりでの講習となる。雪面を掘りS講師が雪温計を用いて詳しく説明してくださる。ルーペで雪の結晶なども見て、また2人1組で実際にピットを掘ってCTをやってみる。今回は新雪が1メートルも積もっていたのでやわらかくすぐに崩れてしまいました。講習会を終えて下山中「たすけてください~」との声。もうすっかり気を許していたので、まさに不意打ち!!昨日散々シュミレーション訓練をやっていたというのにやっぱり慌ててしまう・・・。時間はかかりましたが、みんなで協力してどうにか見つけだすことができました。この日のように新雪で深雪の場合、スキーを脱ぐと埋まってしまって移動が大変だし、でも板を履いているとスコップで掘れないし・・・山スキーの場合はリーシュも付いているので板を履いたり脱いだり・・・が、意外と大変でした。

 昼食後はお楽しみのゲレンデ滑走。講師の方々はもちろん、受講生も皆さんとても上手で焦りましたが、なんとか落第せずに済んでホッとしました。

 過去に他団体での雪崩講習会に参加したことがありましたが、参加人数も多く1日だけでしたので、あっという間に終わってしまった感じでした。今回のスキー学校の雪崩講習会では2日間じっくりと学ぶことが出来、少人数で、より実践に近い形で体験できましたのでとても勉強になりました。受講生10人に対し講師の方が8名も付いてくださったというのも非常にありがたかったです。

 「滑りたくなる斜面=雪崩リスクが高い(場合が多い)」とのお話がありましたが、非常に危険な遊びをやっているんだという自覚をもって、安全に楽しめるように・・・今回教えていただいたことを今後に生かしていきたいと思います。

非常に寒い2日間でしたけれど、丁寧にご指導いただきましてありがとうございました。

スキー経験豊富な面白い方ばかりで、全体を通して楽しく過ごすことが出来ました。8期の皆さんと出会えてよかったです。お世話になりましてありがとうございました。

 

●受講生3

 

山スキー学校の最初の講習は雪崩講習です。初日は落倉湿原にてビーコントレーニングとプローブ&スコップを使い救助の練習をリーダーを代わりながら行いました。まだ、お互い顔や名前も分からないので動きもぎこちなく今考えると楽しかったです。二日目は栂池ゲレンデ近くで雪の構造を調べてコンプレッションテストの練習と実践的なサーチテストにプローブで人やリュックを刺した感触を覚えたりゲレンデでの滑りの披露でした。楽しいばかりが山スキーではないので、どれだけ自分の行動と雪崩とが背中合わせなのか常に考えないといけないと思いました。また、スキーが上手くなりたいと思い練習したり体力つけたいとトレーニングするように少しでも雪崩について勉強を続けて山スキーの経験をつんでいきたいと思いました。

 

●受講生4

 

今年は雪が多く誰もがうきうき。訓練予定地に向かい、山スキーを履くが、誰もがスムーズ。受講者に全くの初心者はいない。緊張するとともに、もっと素人が参加していいのに、とも思う。

 それにしても、みんな装備が素晴らしい。私のなんか、35年前にチョゴリザがヒマラヤ遠征隊のために開発した、当時の最高級オーバーヤッケで、私もヒマラヤで一回使ったきりで、大切にとっておいたものだ。下着はアンゴラ羊毛の無脱脂タイプ。しかしみな、私よりはるかに薄着なのに暖かそうだ。化学の進歩は素晴らしい。

 それはともかくビーコン実習は講師のSさんの説明が丁寧で、実習も大変よかった。とにかく急いで5分以内に助けなければ…10分では生存率が極端に下がる。しかし実際は本当に難しい。何とか探し出しても11分、12分と時間が過ぎて行く。復習、自分の会に帰ったとき、練習を繰り返すことが何よりも大事と感じた。ありがとうございました。