第6期
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◆◆第四回実技講習◆◆

 

【山域・場所】       北アルプス・蓮華温泉

【日程】      2009年3月27日(金)夜~29日(日)

【目的】      卒業山行

 

受講生8

 

■27日(金)

各集合場所を出発、深夜白馬村落倉荘着。寝袋で就寝。 

 

28日(土)起床6:30、食事7:00~落倉荘発8:05→栂池ロープウェイ8:20~8:55→成城小屋

9:40→天狗原・祠11:23~食事、コンプレッションテスト11:32~12:13→振子沢→小栂平付近14:23→蓮華温泉(1417m)着15:23 

 

落倉荘発8:05。車で栂池ロープウェイ乗り場へ。ロープウェイを降りるとすぐ総体協の男性より雷鳥保護、トイレ問題、禁止区域についてレクチャーがあった。建物の中でスキーにシールを貼り外へ出る。9:18S藤リーダーのビーコンチェックの後、登高を開始。踏み替えターンを繰り返して天狗原を目指して進む。白馬乗鞍の斜面にはスキーヤーやボーダーが蟻のように点々と見える。すでに滑降を始めたスキーヤーのシュプールがまっすぐで、雪の状態が重く悪そうだ。稜線を乗っ越し、天狗原の祠の前で一休みしてから北西方向の蓮華温泉へと向かう。少し下がったヘリポート近く、振子沢手前でシャベルコンプレッションテストをする。プローブは95cm部分で硬い氷に当たり止まる。CTは各々M16、M20、中間のモデラートで行動判断は「吹き溜まりや急傾斜地は要注意」。上部5~6cmが新雪か。今日は時折細かい雪が舞うがまあまあの天候だ。

シールをはずしていよいよ振子沢に入る。B班は先頭を切っての滑降だ。振子沢のコースはダケカンバや栂などの樹林帯で、途中で斜面も急になる。M田さんが豪快に滑っていく。S藤さんも余裕たっぷり、Y口さんは堅実な滑りで降りていく。Y’嶋さんも転倒するも頑張っている。私は危ないと感じたらすぐに座りこんでこけまくりながら滑り降りる。荷物を背負っているので転ぶとダメージが大きい。沢はだんだん狭くなり、S藤さん、M田さんが先行してルートファインデイングとラッセル。私はブッシュにスキーを引っかけてスキーの先が雪に刺さり、つい素手になり、エッジで指の内側(2本)を切り、H谷講師の応急手当を受ける。

深雪、悪雪で先頭のラッセルも半端ではなく、2:00頃、M尾代表の「班編成解除」の無線が入り、ラッセル要員を総動員する。沢が入り組んでいるので慎重なルートファインデイングが必要と思われたが、要所に「レンゲ温泉」と書かれたピンクの標識や赤布が見られた。雪崩が心配される斜面、4ヶ所をトラバースする時は1人ずつ慎重に進む。1600m付近に目印の標識があり、左にトラバースする。さらに下り、中の沢を過ぎ尾根を回り込み、乗鞍沢の橋に出る。ほっとしているとM尾代表から「川に落ちないように注意して滑って」。ここから少し登ってようやく蓮華温泉に着いた。カメラを構えたS藤さんに迎えられ、みな満足そうな笑顔を向ける。蓮華温泉まで通常1時間40分~2時間30分だそうだが、今回は3時間10分。深雪で大変なアルバイトであった。

すぐに露天風呂に向かう人、温泉に入る人、飲み始める人などさまざまだが、みなてきぱきとシールや靴、衣類を乾燥すべく行動。18時に夕食。夕食後、各班のリーダーが話し合い、明日は予定を変更して栂池に戻ることとなった。Y嶋さんが用意してくれた「手作り別途おかず」を肴に講師の部屋で会話が弾む。

 

■29日(日)食事6:00→蓮華温泉ロッジ発7:07→木地屋方面分岐7:24→天狗原・祠11:20~45(集合写真)→成城大小屋上部(コンプレッションテスト)12:20~40→カフェテリア栂のM13:04→栂池高原13:45→白馬大池駅でミーテイング後解散

 

朝起きると晴れ。昨晩から8㎝ほどの新雪。6時に朝食をとり、S藤リーダーのビーコンチェックの後、7時過ぎに蓮華温泉を出発。細かく降る雪が太陽に当たってダイヤモンドダストが美しい。栂やダケカンバに雪が積もってすばらしい雪景色だ。今日は木地屋までの予定であったが重い深雪でラッセルが予想され、栂池に戻ることになった。すでに滑ったルートということもあり、安心感がある。斜面の登高でクライミングサポート(カカトを高くする)を使い始める。M田さん、S藤さんが先行してラッセル作業をする。雪崩の心配のある4ヶ所の斜面では一人一人慎重に通過する。途中でスノーブリッジがあり、崩壊をさけて一人ずつすばやく通過。昨日は気が付かなかったがうっかり転倒したら川に落下という危険箇所がいくつかあった。コースを読んで進み、11:20、いったん天狗原の祠の前に集合して記念写真を撮る。天狗原から成城大小屋へと滑る前にシャベルコンプレッションテストをする。CTM、M15とCTH、H26で概ね安定。      

ワックスを塗っていよいよ滑降。なんとまあ、講師、受講生諸氏の上手なことか。M田さんの鮮やかなテレマークスキー、斜面を見上げるとS山講師が鮮やかなターンを決めて気持ちよさそうに滑ってくる。H谷講師、S藤さんはサポートに徹してくださり頭が下がる。私は足がこわばり転倒しっぱなしで、さんざんな滑りで成城大小屋上部に到着。栂池のバーンの滑降だけでは物足らないメンバーは車道を避けてまたもやバックカントリーコースへ。カフェテリア栂のM着13:00。小雪の降るゲレンデは人、人、人で別世界。圧雪されたゲレンデを滑り降りて駐車場に。車に分乗して白馬大池駅で反省会後解散。

 

今回の目的は「講習で学んだスキルを有効に使い、安全に目的地に到達すること」。

なにはともあれ、大きな事故もなく無事に終了。お疲れさまでした。

S山講師、H谷講師、講師のみなさま方、大変お世話になりました。

 

 

最後に…

自立した山スキーヤーになるためにはタフでなければならないと今回実感した。山スキーは通常の山行以外に2,5Kg~3Kgほどの装備(ビーコン、スコップ、スノーソー、プローブ、スキーシール、ツェルト、補助ロープ&カラビナなど)を携行しなければならない。荷物を背負うと転んだ時のダメージが大きく、登高の踏み替えターンでさえ慎重になる。いかに転ばず、安全に滑り降りるかが第一に優先される。個人的に今回持参の160cmのTRABの硬いスキーが重く深い雪に潜んだままなかなか雪の上に出てこず、時には深雪に付き刺さってしまい、雪の怖さを十分思い知らされた。3年前の4月の蓮華温泉は140cmの先の丸いショートカービングを使用、雪質も良かった。今回は今年購入した150cmのファットを持参すべきだったと猛反省。「「ぜったいに転倒しないという強い滑りを心がけることが大切。新雪や深雪では、スキーを揃えて滑るのがもっとも有効。2本のスキーを一枚の板のようにすることで、浮力、バランスを確保できる」とか。今後の課題だ。

 知識と経験の豊富な講師陣に助けられて、なんとか戻ってくることができて感謝するのみ。H谷講師には幾度、助け起こしていただいたことか。深謝。

 

受講生10

 

昨年(07-08)、山スキーを始めようと道具を一式購入したのはよいけれど、参加した講習は悪天候等のため、とても満足のいくものではなく不完全燃焼で「あっ」という間にシーズン終了!

このままでは、せっかく揃えた道具が無駄になると思い、今シーズンこそは、山スキーの基礎を身に付けたいと、インターネットで検索中に見つけてしまった「東京山スキー学校」。

その中にある卒業生の感想文を読んで、学習内容と楽しそうな雰囲気が充分伝わってきた。まさしく、私の望んでいたスキルと仲間作りの場がそこにはあるような感じがした。早々、参加申込みをメールでM尾さんに確認・・・・「私は山岳会に加入していません・・・スキーも数十年ぶりで・・・山スキーは初心者です。それでも参加できますか?」と、答えはOKだった。 それならば「さぁ、やるぞ!」と気合を入れ、さっそく、昨年揃えたスキー道具を出してみた。部屋中に散乱したスキー道具を眺めながら、まずは安全を祈願してビールで乾杯!その次は、「よき天候であるように」と焼酎で乾杯!これで、準備万端あとは実行のみとばかりに、その夜は、ニヤニヤしながら道具を手にしていたらチョット飲み過ぎてしまった。

 

この学校のカリキュラムは、長期間に渡る。

ガイダンス&座学1 (講師紹介 心構え 用具の基礎 冬山気象の基礎等)

座学2 雪崩の基礎知識 

実技1 雪崩に遭遇しないために (レスキュー 地形判断 安定度評価等)

実技2 山スキーの基礎 (歩き方・登り方 滑走技術 読図等)

実技3 ビバーク技術 (雪洞ビバークについての装備 雪洞作成等)

実技4 総合実践山行 (山行計画の立て方 行動判断等)

卒業式

※ 参加生徒19名に、講師陣12名(雪崩 座学:K嶋氏 実技:S井氏を含む)

 ※ 実技は1泊2日×4回 座学は2回

実際に参加して思ったのは、受講して行く中、妙な?連帯感(仲間意識)が生まれてくるのを感じた。単発の講習やツアーでは味わえない体験だった。また、講習内容も全てが実践的で納得がいくまで教えてもらえるし、実技訓練後の夜の部(懇親会)では多くの事を確認と復習できてうれしく思えた。

最後の蓮華温泉卒業山行は、チームごとに受講生らがプランを作り、そして協力し合い実行して行く。講師は、しっかりとサポートしてくれるので間違っても安心!折角だから失敗を恐れずに、自分たちの思いどおりに実行して行った方がよい。

今回、リーダー役を経験させて頂いて、いろんな気付きが得られました。実は蓮華温泉の夜、お開きの後で、有志のリーダーやサブリーダーがコッソリ集まりその日の反省会をしました。皆が熱く語り合い、皆の考えを共有できたこともまた青春だなぁ・・・ということで、酒を飲みすぎたのは言うまでもありません!翌日のH田氏の顔が青く思えたのは私の気のせいでしょうか?でも、M田氏も頭が痛いようなことを言っていたようですが、仙気の湯での湯あたり(実は冷え)でしょうか?何と、時間も4時を回り風も冷たく、振り回したタオルが凍りつくのですから尋常ではありません。

 

山スキーを楽しむには、いろいろな要素が必要になることを痛感。スキー技術もさる事ながら、冬山登山の要素もあり、読図&GPSの知識や無線の使い方、ロープワーク、ビーコン操作&レスキューの仕方、ルートファインディング、気象の読み方、そして仲間の重要性(大切さ)など。そういえば、日本勤労者山岳連盟事務所の入校初日、早めに到着しすぎて準備をしていた講師の方に挨拶をし、生のM尾さんを確認(うんっ、イメージどおりの人だな)。話をしているうちに、事務所を案内してもらうことになった!2階3階を案内して頂きフリークライミングボードや書籍室あるのにはびっくり!事務所を見たところで書類の山になっているテーブルで、「これが山で亡くなった人の書類だ・・・遊びで入ったら必ず帰ってこなきゃな!」と言っていたのを思い出します。

「安全に楽しく行動する為に、この学校があるのかな?」

また、卒業後も皆さんと共に楽しめたらと思います。講師の皆さん、受講生の皆さんありがとうございました。

 

受講生11

 

総合滑走実技は、栂池スキー場から天狗原へ登り、振り子沢を下って蓮華温泉に宿泊、翌日は木地屋部落まで下るルートを各班ごとに計画、実行するものだったが、残念ながら二日目は湿雪に阻まれ再び天狗原に上り返し栂池スキー場で終了となった。

 3月終盤になって大量に降った湿雪が、初級者の私たちに下りラッセルという思わぬ体験をさせてくれた。先頭でラッセルをした班は大変な重労働とルート取りの大切さを学んだ事だろう・・・(と書くと、私たちD班が後からトレースを滑って追いついた事がバレバレになるのですが・・・)

 出発点のロープゥエイ駅を出ると、我々D班は通常のルートを行かず隣の枝尾根をラッセルで登った。この出だしから担当のT講師やMアシスタントをやきもきさせたようだ。実質「卒業山行」である総合滑走では、担当講師はよほどの事が無いと口は出さない決まりとかで、自主性の尊重と危険度の判断に迷うところだろうと思う。

 不運にもD班に配属されたMさんは、シールを忘れロープをスキー板に巻いた簡易シールであるから、どうも心中半泣きであったようだ。しかし我がD班のトップは元気いっぱいの現役大学生O君なので、自分で研究したルートを試すべく前進あるのみである。幸い山スキー経験者ばかりであった事と快晴の碧い空が味方してくれたが、TYG全体の最後尾になり前の班の行動に30分は遅れた。TYG全体の山行としての意識が無く、D班として少々ロスタイムがあっても15時までに到着すればよいだろうと考えていたのが甘かったか。

 振り子沢上部でピットを掘って積雪のチェックをした。ここで大切な事を学んだ。チェックの結果判断は、GOである。しかしT講師の判断材料は別の所にあった。この大量の重い湿雪をルートを探りながら下りラッセルして、何時に蓮華温泉に到着できるのかという事。しかも初級者ばかりの大所帯である。すでに他のABC班は先行しており私達ばかりがもたもたしてはいられない。頑張ろう!と滑り出したが・・・ナンなんだ、この深雪は!ちっとも浮かないし板が雪にくいこんで回らない。重たい雪にフーフー言いながら皆に追いつけたのは、ほとんど食べる時間をとらなかったのとボブスレーコースのようなトレースができていたお陰だったと思う。

 D班として先頭のラッセルには参加できなかったが、後からきた他パーティのラッセル交代もあり、蓮華温泉には明るい内に無事着く事ができた。温かい内湯にたっぷり浸かり、すぐに夕食。お腹いっぱいになった私は、ちょっと布団に入ったらあまりの気持ちよさにそのまま爆睡。夜中、屋根の雪が雪崩れる轟音に目が覚め、翌日の行動が思案された。

 6期生は天気についている。翌朝は快晴だった。これで実技講習はすべて快晴。なんという強運!天狗原への上り返しも良いシール訓練になったし、朝日に輝く新雪の景色の中を登るのも嬉しかった。山スキーでは真摯で柔軟な考え方が必要だ。計画通りにいかなくてもより安全な方法を選択し、それはそれで心楽しませる術を身につけたい。

 個人的に未熟な点も多くある。TYG2年生というのがあれば進級したいところだが、残念。

講師の皆様、有難うございました。すべての実技を楽しく経験できた事を感謝いたします。

 

受講生12

 

当日朝は曇りだが天気は回復傾向で、絶好のスキー日和と思い、ゴンドラに乗り込んだ。ロープウェイ降り場には続々とザックをしょったスキーヤーが集まりシールを装着して出かけて行く。すでにはっきりとしたトレースはつけられており何も迷うことなく登っていった。途中、シールが剥がれた人がいて応急処置をしたり、小刻みに休んだりしていったものの、2時間もかからないうちに天狗原に到着。振り子沢降り口でCTをおこなったが60センチ程度積もっている新雪は比較的安定しており、滑走に問題はないと判断、沢を降りて行った。

ここからが大変、スキーがまったく滑らない重い雪で、緩斜面になると進まず、潜ってしまう、経験したことの無い雪だった。あれだけたくさんスキーヤーがいたのに蓮華温泉方面に向かっているのは私達だけで、先頭は過酷なラッセルとなった(といってもA班は3番手、4番手で行っていたのでラッセルの苦労は知らない)。この時、講師達が引き返すことも検討しているとはまったく知る由も無く、何とかついていくだけだった。班のメンバーも途中でバタバタと倒れ、倒れるとなかなか起き上がれず、班の隊列は伸びてしまった。予定時刻を大幅にオーバーして蓮華温泉に到着。

翌日は、ラッセルに時間がかかり十分な安全が見込めないという判断から計画していた木地屋には向かわず、全員で往路を戻ることになった。昨日から更に新雪が積もっており一部ラッセルも交えながら進むが特に問題も無く天狗原に到着、再び重い雪を滑ってスキー場に到着。

(感想)

山スキーはスキーの延長というよりは冬山山行の一形態と考えておくべきであり、気象・雪質に対する知識、ルートファンディング能力、トラブル対応など相当のレベルでなければ対処出来ない。単独は危険だし、グループで行動する場合も自覚を持って(他人任せにしないで)判断して行く癖をつけないと上達しない。

一方でスキーの技術も必要。ゲレンデで適当に滑るのではなく、きっちりと基本を確認しておくべきで、その上で経験を積むしかないか。

読図と地形判断の知識も通常登山以上に必要。当たり前だがルートがあるわけではないので基本的なことが重要になるが、これはまだ出来ていない。気象の急激な変化も考えるとGPSが使用できることも必須かもしれない。

パーティで行動する場合はなるべく一緒に行動する。転倒したり、遅れたりする人がいて、隊列が伸びてしまったこと、雪崩の危険地帯の安全確認を十分できなかったことなどが反省点。

今回は往路を戻る選択をしたが、そのまま計画通り木地屋に向かっていたとしてもなんとか行けたと思われる(後で出発した別パーティは無事木地屋に到着している)。ここで重要なのは行けたかどうかよりもこうした状況できちんと考えているかということだが、こうしたケースに遭遇したことは、ある意味恵まれていたかもしれない。

やはり大自然のなかで、スキーという機動力(+楽しさ)を使っての行動は非常に楽しい。山スキーの素晴らしさを再確認させてくれた講習だった。危険を回避しつつどうやって楽しむかは自分次第というまさに「大人の遊び」をこれからも続けて行きたい。同じ趣味を持った多くの方々と知り合えて楽しく過ごすことができたのも収穫だった。こうした機会を提供してくれた講師の皆様には感謝したい。ありがとうございました。

 

受講生13

 

コースタイム

 3月28日(土) 

栂池高原8:20―(ゴンドラ)―栂のM8:40/8:50―(ロープウェー)―栂池自然園9:00/9:20――1970m地点・CT実施 9:40/10:05――天狗原(お宮)11:20/11:30――振子沢下降点11:45/12:10――トラバース開始点13:45/13:50――蓮華温泉15:40(泊)

 

 3月29日(日) 

蓮華温泉7:10――橋(1510m)7:30/10:05――1855m地点9:15/9:35――2115m峰10:40/10:50――天狗原11:20/11:45――2200m地点・CT実施 11:50/12:15――成城大小屋12:35――栂池高原13:40/14:00――白馬大池駅14:15/14:25

 

 第1日。栂池自然園に着き、早速シールを装着し出発したときは、曇天の空模様だったが、天狗原に向け山スキーで登高中に強い日差しの好天気になる。途中の斜面でCT(コンプレッション・テスト)を実施。結果は、CTE-5、5㎝の層で崩壊が生じ、積雪状況は非常に良くないとの結果であった。危険箇所は慎重に通過するとの認識の下、行動することにした。天狗原のお宮でシールを外し、天狗原の平坦部を真っすぐ振子沢下降点に向かう。途中で乗鞍白馬岳東斜面をスキーヤーがシュプールを描き滑降するのが目に入る。休憩後、C班が先頭で振子沢を滑降するが、雪が重く、スキー板が30cm以上も雪に潜り、スキー板が滑らない状況であった。私自身はスキーの滑降技術が未熟のためうまく滑降できず平坦部になる前で、スキー板が深雪にとられ転倒し、起き上がるのに深雪と孤軍奮闘しなければならなかった。C班のM講師は、雪の状態が悪いので天狗原に登り返そうとの見解を述べられた。C班が先頭で蓮華温泉へのルートをメンバーが交替してラッセルをして拓き、歩を進めた。距離を稼ぐのに相当の時間の掛かり、先が思い知らされた。そのうち他の班も加わり、強健な男たちが替わり替わりラッセルをしてルートを拓いた。急斜面をトラバースするときは、一人ずつ間隔を空け通過した。思いのほか時間が掛かり、やっとの思いで林道の橋に着いたときはホッとした。更に乗鞍沢の橋を通り今宵の宿である蓮華温泉に午後4時前に着いた。宿の夕食後、講師と各班のリーダで明日の行動について話し合いが行われた。その結果は、予定では第2日は、蓮華温泉からヤッホー平、角小屋峠、白池を経て木地屋に達するルートであったが、木地屋までの距離が長くラッセルしたルートがないことから予定の木地屋到着時刻には到底着かないこと等の理由から、昨日のルートを天狗原まで戻ることになった。山スキー熟達者だけのメンバーであれば予定のコースを完遂することは十分可能であると思われるが、第6期生18人のメンバーのスキー滑降レベルも様々であることを考慮すれば、適切な判断であると思われた。

 第2日の朝は、シールを装着し小雪の舞う中、蓮華温泉を後にし、昨日の乗鞍沢の先の小沢の橋に向かった。昨日のスキーラッセルよりはシールを着けての登高の方が楽のように思われた。天狗原まで約700mの登り返し登高である。天気は次第に良くなった。振子沢の途中で、昨日のルートを取らずに天狗原からフスブリ山に連なる尾根に出て、天狗原に至った。時間は予定の4時間を要した。天狗原の中央において全員で記念撮影をし、天狗原から成城大小屋に向けて滑降する前に、CTを実施した。結果は、昨日実施した結果とほぼ同じもので、危険箇所は慎重に滑走する必要があることを示した。雪の状態は、昨日より若干良いように思えた。成城大小屋前で休憩後、私は、沢の狭いコースを通らず林道コースを滑りスキー場上部に出て、スキー場内を今回のスキー学校の講師から学んだスキー滑走技術の基本を確認しながらみんなの待つスキー場下端に滑り下りた。

 

今回のスキー学校への参加の大きな動機は、雪山における山スキーの利用を再確認し、有効な手段としたいとの願望であった。このスキー学校で学んだ最も大きな収穫は、雪山における山スキーの利用が、機動性を飛躍的に拡大させる点を再確認できたことです。今後はスキーの滑走技術を磨き、更にレベルアップを図り、雪山登山における山スキー利用を積極的に行いたいと考えています。

最後になりますが、山スキー学校の素晴らしい講師陣にお会いでき、よきご指導をいただきありがとうございました。また多くの山スキー仲間に会え、今後の山スキーの楽しみの機会が広がることを切に期待しております。

 
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◆◆総合◆◆

 

 

受講生14

 

 私がこの学校に入って率直に感じたことを書きます。

M尾さんにお願いして申し込み最終ギリギリに入れてもらいました。

入学を決めたものの、山スキーに関しての知識が全くなかったこと、また半年の間万全の体調で実技を受講できる健康面での確信がなかったこと、そして仕事の都合で参加できなくなる可能性があること、など不安な気持ちでいっぱいでした。でも入校式で講師の皆さんの優しい笑顔と同期の方々の熱心な向学心に感化され、緊張は徐々にほぐれて安心したことを覚えています。

 座学は山の知識全般、高度な専門的内容まで解りやすく進められていくので、予習復習と自宅での楽しい勉強の時間が持てました。この頃メールで、B場さんの「滑り込み」の様子に脱帽、同期の皆さんが各自努力していることを感じました。

第一回の実技では、ビーコンの使用方法を習得しました。「ビーコンで十字を切る」前の晩読み込んだ本が役に立ちましたが、やはり自習の成果にはかないません。そして、自分が本当の雪崩で確実に遭難者を救助できるのか、また不安になりました。そして極め付けはザックを背負っての初滑走、右に左に振り回されて、自分の脚前の無さに衝撃をうけました。

 第二回の実技では「登れず」「滑れず」、皆さんに迷惑をかけている自分に対して絶望しました。Y崎講師に何度助けられたことか。帰宅後このままでは皆についていけない、これ以上足を引っ張りたくないと毎日悩んでいました。しかし、同期の皆さんがシールやスキー板、靴、ザックなどについて詳しく教えてくださったのです。気落ちした私の事を皆さんが元気づけてくれました。講師の方々の指導と同期のY布さんやT口さんたちの励ましは何より力になりました。シール無しで急斜面を登るY口さんの姿にも圧倒されました。道具を整備してもう一度頑張ろう、出来うる限り改善をしなければと思いました。

 第三回の実技では、整備した道具のおかげで登りには自信がつき、滑りはまだまだうまくなくとも、転倒時自力で立ち上がれるようになりました。これは何よりも嬉しかった。倉知さんに貴重な水を分けてもらったり、転んだ時でもM田さんがいつも後ろにいて見守ってくれていました。山スキーはメンタルなスポーツだということを理解した訓練でした。持病の「寒いと頭痛になるクセ」もでることなく、雪洞での楽しい一夜はO田さんの「美味しい麹鍋」とM橋講師の「芸術的なトイレ」とともに、あっという間に過ぎていきました。ただ、雪洞が広すぎて寒かったです。翌日の滑走は、講師の後を追うのですが、自分では絶対に滑らない急斜面です。スキーをはいてのシリセード。斜滑降しているのに、体の側面が雪面についたまんまなんです。スキースライディング?でもそれが楽しくって興奮しました。はるか斜面の下で、先に到着して待ってくれている「仲間のところへ行くんだ」という気持ちです。この頃、六期の連帯感はしっかりしたものになっていったのではないでしょうか。

 第四回の実技、総合山行。これが最後のツアーです。何と時の流れは速いのでしょうか。入学して五か月、とうとう迎えた卒業山行。

B班リーダーのS藤さんとサブリーダーのM田さんに支えられツアーは始まりました。憧れの「蓮華温泉越え」は今期初の深雪です。O田さんに名づけられた「コソ練」の成果がありました。登りの前傾姿勢も修正されて楽に登れるんです。余分なエネルギーを使わずに登行するコツを少しずつ身に付けることができました。悪雪に対するスキー運びの難しさも身をもって体験しました。M尾さんは大雪で班構成が崩れたことを「申し訳ない」と言っていました。しかし、全員が一団となってラッセルで蓮華温泉をめざせたことは、今まで以上に連帯感を得た結果となりました。ロッジに到着した時のうれしさは格別で、内風呂は気持ちよくて溜息がでましたね。皆の笑顔がさわやかでした。

S藤さんとM田さんの完璧なリードで帰路も安全に楽しめて最高の卒業山行となりました。H谷さんの天狗原までの単独ラッセルには「車の運転と一緒」とひとり納得していました。昨夜、Y口さんと、N谷さんと三人「水着で露天風呂」できなかったのが心残りでしたけど?

竹の丸ワカンを譲ってくださったT川さんの一日も早い復帰を祈ります。

 

これから東京山スキー学校に入学を希望する方に対して申し上げます。

この学校に入って心から良かったと思っています。自分ひとりでは到底できない素晴らしい経験をしました。以下は教訓です。

●初心者はまず、自分に合う良い道具を揃えること。山スキーの専門店に行って、知識のある人に相談して時間とお金をかけて購入すること。

●入学を決めたら、登る体力をつける訓練を行うこと、怪我をしない身体を創る為にストレッチなどを行うこと。沢山滑ること。

●冬山の知識は必須ですので、気象、読図、装備、レスキューなどしっかり勉強すること。

●転ぶのは当たり前です、全然恥ずかしくないと自分にいいきかせる。講師の方も転びます。

●装備に慣れ親しんで、S山講師いわく「テキパキ」と音がするように物事を運ぶこと。

〇余談ですが、H谷車メンバーだったのでダジャレがみについてしまいました。

「ラーメン」「ラーメン」「ラーメン」と三回唱えるとお茶目になりMaちゅ~。

 

受講生15

 

  まず講師の皆様の熱い指導に感謝致します。講習内容の打ち合わせから実際の山行まで大変な労力が必要とつくづく最後の蓮華温泉へのツアー準備で実感致しました。 また、それまで一緒に活動した受講生の皆様からもいろいろと教えて頂きましたし、特にB班のリーダーを任されたS藤さんには大変お世話になりました。

 

  第一回実技講習

  雑誌などで三種の神器の携行は雪山に入る際には必須との知識のみで実際のところどのような使い方や訓練方法となるのかわくわくして参加しました。 以前に白馬47の午前中の初心者ツアーに参加した時に30分ほど借り物のビーコンで教えてもらったことがあるのですが、実際に時間を区切られて探す困難さと回数を重ねるごとに上達はするのですが、埋没地点と埋没深さなどが変化することで、ビーコンが迷っているのではないかと錯覚に陥ること度々でした。ビーコンが悪いのか、埋めた相方が悪いのか人間不信と機械不信に陥りそうで、来年度はセラピストの同行をお願いしたいと思います。

 

  二日目は、ショベルコンプレッションテストの方法を習いました。 S山講師やM橋講師のピット掘りを最初は見学し、軽がる掘り進みいとも簡単そうにテストを実施しておりました。実際にやってみると1メーターの深さの雪柱を掘り出すのに一苦労で、私の隣で掘っていたご婦人の悪態ぶりが忘れられません。ショベルをもって作業すること自体、幼稚園の砂場遊び以来の大仕事でした。

  実際の雪崩を想定した訓練では、まず現場に駆けつけるまでにリーダーである私がこけてなかなかたどり着けず、なぜかビーコンを持たない設定の埋没ザックが先に見つかり、ビーコン捜索でなかなか発見されないパニック状況では紳士淑女が突然険悪なムードに陥り、ガツガツとショベルを突き立てまくるといった恐ろしい状態となりました。

  そんな過酷な状況で、なぜかビーコンに一人の埋没者のはずが、あちこちで発信電波がみつかり更なる混乱へ。 リーダーとして落ち着いてと小声で皆にお願いしながらよく見ると自分のビープスが自動で発信モードに切り替わっているのでありました。 ショベルにプローブと凶器とするには十分であります。チームメンバーに背中を見ないよう気をつけましょう。

 

  なんとか雪崩訓練も終わり、林道から栂池高原スキー場へちょっとショートカットし林の中を滑走し楽しい深雪を味わい大満足で帰路へつきました。 今シーズンの雪不足を考えるとあの林道わきの林はなかなかいい雪でした。

第二回実技講習

  雑誌などにもさんざん紹介されている神楽峰に踏み入り素晴らしい景色に感動してしまいました。 かぐらスキー場からみる雁が峰の稜線の雰囲気や雑誌の写真と、実際の山の中にわけ入っていく過程で見る景色の素晴らしさは言葉に言い表せないくらい素敵でした。苗場山も大変きれいでした。はじめの滑り出しと林間の深雪はいま思い出しても楽しい思い出です。 今思うと雁が峰から下りスキー場へ滑り込む手前数百メーター続いたサンクラストの悪雪が同じ日であるとは思えないほどです。 あの悪雪の中でもがいている中で、ふと頭によぎったのは「にっちもさっちもいかない」というのはこういうことだったんだと身をもって体験できました。 また、長時間の登りも初めてでとりあえず皆さんについていけたことに満足した一日となりました。

 

  二日目には天候悪化にともないゲレンデ内でスキーとなり、田代スキー場へ滑り込むルートを楽しみにしていただけに残念ではありましたが、ゲレンデ脇を二十歳そこそこの若者のように突っ込んでいく妙齢でない紳士淑女はちょっと変な絵柄でありました。

 

  第二回実習では一日目の悪雪のせいか、けが人も続出、雪山への忘れものも多数あったようで順調でないときの対応を自戒するに十分な経験ができました。スキー場脇の悪雪も積極的に練習に利用しようと改めて山スキーとゲレンデスキーのスキー技術の違いを実感しました。

 

第三回実技講習

  まちにまった雪洞訓練でしかも鍋倉山ということで大変楽しみに参加しました。そもそもの登山経験や通常のテント泊の経験もなく参加したので、逆に具体的な不安がなく漠然と雪洞=遭難のイメージがあり過酷な夜を想像していたのですが、結局、食べ過ぎ、飲みすぎで夜はいつもよりぐっすり眠ることができました。

  ここでも雪洞掘りはショベルの使い方がどうも下手なようで、自分では一生懸命やっているつもりですがなかなか掘り進まずへとへとになってしまいました。 雪量、雪質ともあまり十分でないこともあったようですが、なんでも経験してみないとちょっとしたコツがわからないものです。 それにしてもぽかぽか鍋(酒粕と日本酒)はおいしかったです。

ホットワインも最高でした。ゆでたソーセージやチーズも良かった。雪洞自体が楽しかったです。

  二日目はM太郎に向って滑り込み、ぐっすり寝たせいかパリパリのアイスバーンでもなぜか気持ちが充実していてブナ林の中を気持ちよく滑走できました。 ぜひとも雪の多い、深雪のときに再挑戦したいと思いました。 できる事なら7期も鍋倉山+雪洞ならついて行きたいくらい素敵なロケーションと手ごろなブナ林の斜面でした。

 

第四回実技講習

  天狗原から蓮華温泉の滑り出しは楽しかったのですが、(ほんの少しです、3ターンか4ターン)そのあとはまるで苦行のような下りラッセルを経験しました。どうもテレマークのビンディングでアセントモードのないタイプなので歩きづらく、リーダーいわく道具のせいにしてはいかん、と言われたのですが物欲がふつふつと湧き上がってきました。やはりある年齢を過ぎると金で解決できるものはすべて金でと、安易なほうへ思考が流れるのです。 雪山に入っても頼れるものはお金と、雪をかき分けながら考えることになりました。預金通帳を開くとまた別な思考となるのですが、雪山は現実から離れた夢の世界ですから、ラッセル中の気分は大金持ちです。ビンディングのみならず、次はファットにしようか、どのメーカーにしようかと夢は膨らむばかりです。

 

  蓮華温泉に到着後、露天風呂に入りに行ったのですが、スキーウェアーを着込みスキーブーツ登ることたぶん15分くらいで到着し、湯の温度はぬるいのなんの。こんな秘湯はそう簡単には来ることができないとの誰かの言葉に湯船につかったのは良かったのですが、だんだん寒くなってきて、素っ裸で毛糸の帽子をかぶった変態じみたか格好や、上半身だけ着込んで湯船に下半身だけ湯船につかっている変な光景を楽しむことができました。湯船から出て着替える段になると、指先がかじかんで服がうまく着れず、遭難するではないかと思いました。

 

  翌朝は、前日の下りラッセルの状態により木地屋に下ることを中止し天狗原へ登り返すことになりました。朝7時から4時間半ほど延々と登り出会ったのですが、途中いつまでたっても二日酔いが抜けず頭痛が続き、どうも前日の露天風呂で風邪をひいたようでした。 結局、先行パーティの後をついて前日のラッセルあとについていったのですが3時間を過ぎたころからかなりばててきました。 ちょうど、ばてばてのところに稜線に向かうか、前日の滑走後をたどるかの分岐を見過ごし稜線よりに200mほど歩を進めていました。 GPSで確認し、稜線沿いに登ることに決めたのですが、疲労による不注意を実感しました。地図を持っていても実際の地形と感覚が合わずルートファインディングの難しさをつくづく感じました。GPSの威力を実感しました。

 

  天狗原から栂池高原スキー場への滑り出しは楽しいの一言で、滑り終わったころには頭痛も吹っ飛びアドレナリンだかドーパミンが脳内に充満していたことでしょう。大回りのテレマークターンでサブリーダーとして最後にすべることになっていたのですが、メンバーのヘルプはH谷講師に勝手にお任せして時々最後尾のメンバーを追い抜きつつテレマークターンを楽しみました。 本当に楽しかった。4時間半の登りが報われた瞬間でした。

 

受講生16

 

今後、取り入れたいこと

講習最後は少し分かりあった仲間で次回の山行を計画し実行する事――ルート図、計画書、装備表作成はそれだけでも自立に少しつながると思いました。現地ではすごくまずい時のみ講師が助言するというのもなかなか出来ない事なので学びました。

1回目のいきなりの「雪崩に仲間がまきこまれ、、、、、助けてください」での救出活動練習はよかったです。いきなりの救出対処はどのジャンルの山でもやっておくとよい。会で提案します。

コンプレッションテストは初めて学びました。段々、残雪スキーから深雪山スキーになっているので、テストはまだまだ時間もかかりその結果判断もおぼつかないが,やる事、慣れる事。

 

楽しかった事

1、2回目の2日目に田代側からの滑走が出来ない事は残念でしたが、スキー場の圧雪されていないコースを選んで入ってくださり、たくさん練習できた事は少し慣れてうまくなったような気がして、嬉しかったです。神楽峰のスキー場はいい練習の場になる事も分かりました。

2、講習毎回の宿泊場所が宿屋という事。テントだと下手な私なんか濡れた衣服の対処とか、寒さに故障が痛み出したとかで難儀します。学校は泊まって学ぶは、いい事です。

 

意外だった事

受講生が労山会員ばかりでなかった事は意外でしたが、とてもいいことがたくさん

ありました。海外登山の話、ツアーガイド山行、ワンダーフォーゲル情報、山一辺倒でない山幸彦と海幸彦 スキーヤーからの山スキーヤー等の方々との交流は、なんとなく労山風(こんな言い方、変かな)の日常でなく、これもまた私には新鮮でした。

班編成と講師の固定をしなかった事は、もしかしたらと思っていましたので、よかったです。そして3回と4回はメンバー変えず講師代えるは少しプレッシャーになりましたがいいことでした。O原、S本、Y布班は山慣れて基礎体力もあり、4回目講習は少し気が重かったのですがO原さんの気遣いトップには頭がさがりました。同年令又は年上とパーティ組んでいる会では経験しない事を経験させて頂ました。

講習内容の充実と、受講生の熱心さに本当に感心しました。それと同時に練馬の山スキーメンバーの高年齢化と未熟さ(私もその一人ですが)に寂しさを感じました。

 

受講生17

 

山スキービギナーが山スキー学校に入って思ったことは、全く初めてのことであるから、一つ一つ「下手でいいから自分なりに身に付けていこう」であった。 2回の机上講習と4回の実技講習があった。

第1回実技講習(1月16日-18日)北アルプス・天狗原

<雪崩にあわないために>

落倉自然園でのビーコン訓練(ちょっとピーコンに自信がつきました)

早大小屋周辺での雪崩講習

弱層テスト-雪の状態を知るのに有意義であった

初めてシールをつけて歩いて、おぼつかないながら、すっごいウレシイ!

第2回実技講習(2月6日-8日)上越・神楽

神楽スキー場から神楽が峰を登り、雁が峰を経て神楽スキー場に戻った

シールをつけての登りに少し慣れた。はすしてスキーをザックに装着、つぼ足で登る経験も良かった。下りは雪が少なく、樹木が多く出ていて、大変だった。横滑り、木の葉落としを覚えて、なんとか下りてきた。

第3回実技講習(2月27日―3月1日) 信越・鍋倉山

<雪洞によるビバーク訓練>

シールをつけてのジグザク登りでキックターンを否応なく身につけた

鍋倉山の斜面で各班に分かれて雪洞堀り。3時間余り堀り、最後はA原講師の助力を得て、また、隣のH谷班との同居という形でやっと雪洞の中に納まった。お手洗いも作って快適!さて、反省として机上で教わった「雪洞を快適に掘るコツ」の6条までが私達の班ではあまり生かされなかった。しかし、同居させてもらったお陰で、隣の班から酒や肴がジャンジャン回ってくるという後利益があったし、他班からの客も迎えてにぎやかに盛り上がったのでした。

第4回実技講習 (3月27日-29日)北アルプス蓮華温泉卒業旅行

B班:S藤さんリーダー、宮田さんサブリーダー

3日前から降り続いた雪で思いがけない深雪になった。楽な山行になるはずが、ラッセルに時間をとられる事態に!天狗原からシールをはずして蓮華温泉への下りはほとんどラッセル。後続のパーティを巻き込んで40人近くの人が全員一緒に蓮華温泉に4時ごろ着。

翌日、木地屋へのルートを変更し天狗原へ戻る。昨日下った道をシールをつけずっと登りになった。シールをつけての登りにちょっと自信がついた。S藤さん、M田さん素晴らしいリーダーシップをありがとうございました。

 
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◆◆第一回実技講習◆◆

 

【山域・場所】       北アルプス・栂池高原

【日程】              2009年1月16日(土)夜~18日(日)

【目的】              雪崩講習会

 

受講生1

 

私の山スキーの経験は、ベアーズ・トレックの熊沢店長と、志賀・尾瀬・立山などには行ったことはあるのですが、雪崩3点セットのビーコン・プローブ・シャベルは持っていませんでした。山スキー学校の入校をきっかけに3点セットをすべて購入し、その必要性を今回の講習で理解すること目標としました。

一日目は落倉自然園周辺でのビーコン基礎講習、未経験の自分は習うより慣れろ、の気持ちでいましたが、講習が始まると緊張の連続と、早く埋設されているビーコンを掘り出さなければと焦る気持ちが先行して、埋設地点での十字法ではビーコンの動作が速くなってしまい、なかなかピンポイントまで絞り込むことが出来ませんでした、後で考えるとある程度まで絞ったらシャベルを使用して掘り始めたほうが早いのではと感じました。

 午後からはA~C班別に分かれてくださいとの講師陣からの指示、班別にまとまってS井講師の説明を聞いていると突然、M尾講師から「すみませーん今そこで雪崩に遭ってしまったのですけど助けてください。」の声。そうか昼食後の講師陣の打ち合わせはこの事だったのかと思いながら、午前中に習得したことを最大限に生かし、班全員で協力してザックとビーコンを掘り出せることが出来ました。

 二日目は栂池BC早大小屋周辺での雪崩講習、ゴンドラを降りて班別行動開始後すぐにビーコンチェック、A原講師から送信・受信の切り替え指示がでるが、自分のDSPにはSEND・SEARCHと明記してあり、頭脳(日本語→英語)とモードの切り替えを一致させるのに苦労しました。(もう少し英語の勉強をしておけばこんなことにならずに)

 その後、早大小屋までシール登高、途中休憩中にA原講師から、「暑い人は脱いで調整してください。」との声、自分はチョット汗をかいていましたが面倒で脱ぎませんでした。

早大小屋上部到着、汗で下着(速乾性)までびっしょり、A原講師によるCTテストの講習中には、濡れた下着が乾くまで体が震えていました、その後の実技講習では中間着にフリースを着るのはやめて薄手のダウンで調整するようにしました。

S山講師の演技から始まった他パーティーの初動捜索訓練では、何人埋まっているのか、又、ビーコン所持の有無などを助かった人から聞き出すのが、重要だと思いました。

今回の「雪崩に遭遇しないために」の講習会では、ビーコンの使用法・CTテスト・スキージャンプテストから初動捜索の方法まで多くのことを学ぶことが出来ました。

講習で学んだことを、今後の山スキーで雪崩に遭わないようにする為に、繰り返し経験を積みながら安全に山スキーを楽しみたいと思います。

 

受講生2

 

 雪崩に遭わないための実技では、ビーコンの操作、捜索、雪崩を予知するためのピットチェックなどについて、時間をかけて学ぶことができました。

 私は、昨シーズン、別のキャンプで雪崩について相当みっちり学んだつもりでしたが、やはりシーズンオフに雪から離れると忘れてしまっていたことが多く、毎年復習が必要だと再認識しました。

 その中で、私が感じたのは、よりアグレッシヴな滑りをフィールドで実現するために、最悪のシナリオを想定したより実践的なスキルの向上を、今後も続けていかなければならないということです。

 

 もし仲間が雪崩に埋もれてしまった場合、生と死の分岐点である15分間に何ができるか、1秒でも早い捜索と掘り出し、安全な搬送など、より実践的なスキルを積む努力を続ける必要があります。

 もちろん、個々人の体力や能力の差はあるものの、その中でベストを尽くすという意識を持たなければ、パーティーを組むことはできないと思います。誰かが助けてくれるだろう、という他力本願なリスクマネジメントは許されないのです。

 この学校では、雪崩回避の基礎を学ぶことはできますが、講師の方々のお世話にならずにツアーを楽しむためには、まだまだ学ぶことが多いと自覚させていただきました。

 

 私は、どちらかというと雪山においては滑りに軸足を置いた「バックカントリースキー」を実践してきました。これからもその志向は変わらないと思っていますが、今回参加して肌で感じたのは、講師の方々の登山家としての「山ヤ仲間の絆の深さ」でした。

 「おまえが埋まったらオレが必ず掘り出してやる!」と、お互いが当たり前のように心に刻んでいるのがひしひしと伝わってきました。

 学校を終えて、すばらしい方々とたくさん出会えたことが何より幸せに感じています。

 今後も、仲間や自分を守るため、そして、もちろん楽しく安全に滑るために、登行や滑走、リスクマネジメント能力等々の向上に努めていきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

 
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◆◆第二回実技講習◆◆

 

【山域・場所】       上越・かぐら 

【日程】               2009年2月6日(金)夜~8日(日)

【目的】               深雪訓練

 

受講生3

 

2月7日

・最上部のかぐら第5ロマンスリフトは未だ稼働していないため、かぐら第1高速からの歩き。

・リフト最上部を降り、ゲレンデ外との境界の手前でシールを付ける。周りもバックカントリーに入ると思しき装備のスキーヤー、ボーダーが沢山いる。今日は朝から晴れていることもあり、ツアーの団体も含めかなりの人数が入る模様。

・少し入ったところで、ビーコンチェックの復習。①リーダーのみ発信モードとし、他のメンバーにて受信モードとして受信確認 ②リーダーは受信、他のメンバーは発信モードにモード変更 ③離れたところに立つリーダーに向かい他のメンバーの発信確認 ④最後にリーダーも発信モードに変えて終了 これは第1回の実技講習でやったことを覚えていた。

・稜線までシール歩行の訓練。第1回はビーコントレとピット掘り積雪観察で殆ど終ってしまったため、初めて本格的なシール歩行となる。ラッセルやキックターンについて教えて頂く

・ラッセルは新雪が少ないので、本格的な講習はできず。キックターンについては、深雪の際にはブーツを支点にしてテコの原理で回すと良いとのこと。

・止まっている第5ロマンスリフトの降場にて休憩。後からも続々スキーヤー、ボーダーが登ってくる。天気が良いため日向はかなり暑く、活動中はシャツ1枚でも十分であった。

・稜線直前でピットを掘り、CT、積雪観察。弱層はあるものの滑走可能と判断。

・1984mの無名ピークで記念撮影。天気は相変わらず良く、昼を過ぎても未だ晴天であり、結局終日晴れていた。スキーに来て丸1日これほど晴れているのも珍しい。

・清八沢の頭からは滑走した後がオープンバーンに多数見られたが、講師の方のお話では、雪崩が多く危険なところだそうだ。我々は端の稜線を登る。スキーを外しザックに付けてつぼ足で登ったが、最初に登る人はかなり大変だったのだろうと思われる。自分は後からついてゆくだけだったので、随分楽させてもらった。一部踏まれてないところを歩くと、非常に歩きにくく体力を大幅にロスする。

・他のスキーヤー、ボーダーの多くは稜線まで上がっただけで降りてしまうか、せいぜい清八沢の頭から降りてしまうようであり、高石尾根方向は滑った跡は無いようであった。

・清八沢の頭より高石尾根を雁ヶ峰に向けて滑走開始。ゲレンデを出て殆ど人が滑ってないところを滑るというのは実に気持ちがいい。天気にも恵まれ大いに感動。昨年自分でもできるか半信半疑で始めた山スキーであるが、講師の方の指導の元とはいえ、今バックカントリーの真ん中を滑っているといういのは不思議であり、筆舌しがたい喜びであった。

・雁ヶ峰よりスキー場へ向けて急斜面を下り始める。樹林も多く皆苦戦している。私自身、大周りや、斜滑降でごまかしながら下ろうとするが、度々転倒。

・B氏が足の古傷の状態が悪く遅れ始めるが、T講師は容赦なく滑ってゆく。「Bさんが調子が悪そうなので、短めにゆっくり滑ります」と言ったかと思うと、あっとゆう間に滑り下り、姿は見えなくなる。恐るべしスパルタ班。

・あっという間の1日だったが、山スキー学校で初めて本格的にバックカントリーを滑り、充実の1日であった。

 

2月8日

・今日は神楽ヶ峰に向かい、田代スキー場へ降りる予定であったが、強風で上部リフトが止まっていること、田代スキー場が休業していることにより、ゲレンデにて講習。

・かぐらも、結構スキーコースの脇に穴場的に非圧雪面があり、そのようなところを拾って講師の後を滑る。やはりゲレンデを出ると情けないくらい滑れない。他の人は結構無難に滑っており、いろいろ見よう見まねで滑ってみるが、なかなかうまくはゆかない。

・ゲレンデ中心ということで気合も入らず、早めに和田小屋にて休憩。講師の方に装備のこと等いろいろ教えて頂く。これはこれでいろいろな話を聞くことができて、勉強になる。

 

・今回は初日本当に天候に恵まれ、山スキー学校で実質初めての本格的な滑降を行い、非常に楽しめました。滑走についてはまだまだ未熟で苦労しておりますが、下手は下手なりに大いに楽しめる内容でした。また、講習もいろいろ知らないことを教えて頂け、勉強になり、本当に参加して良かったと思える内容でした。

・東京山スキー学校全体を通しての感想も同じであり、得難い機会を与えて頂き非常感謝しております。講師の皆さんは自分の時間を削り、本当に行きたい山行も減らし、我々につきあって下さっているかと思うと、感謝も言葉にしきれない程であります。

・4回の実技講習で御一緒させて頂きました他の講習生の皆様にも感謝しております。お陰さまで楽しむことができましたし、自分の所属する山岳会の中だけでは知りえないことも色々教えて頂く良い機会になりました。ありがとうございました。

・まだまだ、今回の講習だけでは、自分一人で安全な山スキーをするのは無理ですが、今回いろいろ教えて頂いたことを元に、より安全な山スキーを心がけてゆきたいと思っております。4ヶ月間、本当にありがとうございました。

 

受講生4

 

初めての本格的に山に入る実技講習。

天候は、土曜は快晴。遠くの山まで見渡せ、本当に気持ちの良い山行だった。

リフト上部から50人以上のパーティーが、山に入っていくのには、かなりの驚き。

送信受信のビーコンチェックも、すでに生徒に任され、前回忘れてしまっている事を思い出す。この雪は、どういう状態だと言えるか?など、所々止まって質問をされる。風の影響を受けている、とか、昨日の温度の影響だとか、説明を受けると納得できるのだが、まだまだイメージが沸きにくい。ただ、こうやって、毎山行の一つ一つの積み重ねが情報量として蓄積されるのだから、注意を払う事が必要なのだ。雪質の変化を察する事、これは事故防止に、かなり役に立つ。

緩斜面では、キックターンを数十回。安全な斜面でのこういった練習のおかげで、本番の急斜面で怖がらずにできるようになった。抜き足、これがポイント?

途中でCT。ちょっと慣れてきた。清八の頭まで、ツボ足練習も。雪が閉まっておらず、沈む。。スキーを背負うと意外と辛い。何時間もできる体力がないと、行かない方がいい山もあるのだろう。

清八の頭から雁ヶ峰までは、気持ちの良い滑り。ただ私は滑りが下手で、必死だったので、この時の素晴らしい景色を、後で送ってもらった写真を見て、こんなに素晴らしい所を滑ってたのね、と感動したほど。残念ながら、深雪はなし。今年は2月に雪が降らず天気が良く、逆に3月末の蓮華で深雪を滑る事になろうとは。。。最後、雁ヶ峰からの滑降、スキー場近くが大変だった。なんせ、雪が少なく、藪&急斜面&悪雪。サンクラスト。降りるのに、相当しんどい思いをした。

 

日曜は、曇り。ただし風が強く、上のリフトは止まるほど。班毎に分かれて、ゲレンデ練習。我々は、深雪練習を朝一ゲレンデでした後、林の中を数本。木の葉落とし、キックターンなど、ゲレンデ脇で練習。かなりよく滑った。ゲレンデでも、山スキーの練習はできる、っていう事がよくわかった一日だった。

 

地図を見たり、地形を見たり、雪を観察したり、時間配分を考えたり。

この2日は、大忙しだったけれど、山行になんの技術が必要かを、考えるきっかけを作ってくれました。わ~、っと行って、楽しむ山行も良いけれど、一つ一つ確認していく山行も必要なのだ、と改めて感じました。

どうやって状況を判断するかなど、やっかいな質問にも、経験豊富なA原講師は惜しみなく応えてくれ、本当に感謝感謝の山行でした。ありがとうございました!

 

受講生5

 

盛りだくさんの実技なのに、スキーで登ることが精一杯の私でした。

シールを付けたり外したり、ヒールを切り替えたり…スイスイ行う皆さんを横目に四苦八苦するのみ。

もう少し深雪を滑ること、登ることが出来て参加すればよかったと思いました。

でも、行動の早い仲間、力強く元気な皆さんにはどんなにか元気を頂きました。

あらん限りの力を振り絞って登った気がします。そして、ご迷惑もかけましたが仲間と一緒なら、持っている以上の力が引き出されるようで感激。

 

改めて写真を見直すと何と素晴らしい天気に恵まれたことでしょう、そして素晴らしい山の雪景色、眺める余裕の少ない私には写真、嬉しかったです。

たくさんの眺め、ありがとうございました。

望むところは、やはり深雪の滑りをもう少し教えていただきたかったです。

(自分で、いろいろ経験しなければいけないのですが)

実技2回目で雁ヶ峰まで登れたことは、私の中では凄いことです。

実力ある講師陣の皆さんに感謝です。

 
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◆◆第三回実技講習◆◆

 

【山域・場所】       信越・鍋倉山

【日程】              2009年2月28日(土)~3月1日(日)

【目的】              雪洞山行

 

受講生6

 

今回の雪洞山行にはM尾さんやS山さんが行けないとの事だった。人数が少し減って寂しくはあったが、それでも講師はまだたくさんいる。東所沢でA原さんの運転するレンタカーに乗り込む。高速を飛ばすと次第に雪が降ってくる。現地は雪だ!パウダースノーを期待する(しかし現実はあまくはなかった)。いつもの事ながら、皆さん深夜に酒をたくさん飲むこと。これじゃあ山スキーを習いに来たのか、酒を習いに来たのかわからない(笑)

翌日は晴れて、気持ちのいい日ではあったけれど、雪はどんどん溶けていっちゃいました。サクサクと都立大小屋まで進む。目的地の方向をコンパスでとって、細かいルートは現地の様子を見ながら進む。部活では細かいルートもネットや本での下調べで確定してたので、こうしたやり方が新鮮にうつる。

都立大小屋の後、スノーブリッジを渡る。これが大変緊張した。渡ってる途中に崩れたらとか、転げ落ちたらとか・・・。自分が貧乏くじを引くんじゃないかとドキドキ。無事に渡り終え、林道に出たとこでCTを取る。それにしても暑い。まるで春山。ただ天気がいいぶん景色がすこぶる良い。巻機山も見えたっけなぁ。

谷に入り、奥深くなるにつれて気持ちは高まる。トラバースもしばしば。途中から他の班は北の尾根に上がり始めた。D班はどうするか、議論の末、右岸にあがり谷沿いを行くことに。日陰のため雪質も変わりにくく、地形図を見てずっと斜登行を強いられそうにもない、そしてなにより稜線への近道だ!そして大正解!大木のMで気持ちがいいし、稜線にも一番乗りでした。

そしていよいよ目的の雪洞堀り。心配されていた積雪、しかし前の降雪もあってか充分な量。入り口を二ヶ所作って掘り始めた。それにしても作業するには狭い。しかも濡れる。自分より大きなS本さんはもっと辛そうでした。N谷さんが大きな雪の塊が取れるたびに嬉しそうにする、そんな姿が印象的だった。そして雪洞が完成!五人しかいないのに9人くらい入るような雪洞ができてしまった。ご飯も終わって眠る頃、H谷さんの雪洞に行ってみるとこちらはまだ飲み会の真っ只中。ホットワインに日本酒、肉に極めつけはラーメンまでと、腹がはちきれんばかりに食べることに・・・

翌日は鍋倉山に登って待望の滑降。昨日今日の晴天で雪はガリガリ。スキー場みたいな雪質に滑りやすいという人もいたが、やはり自分は深雪が好きだ。急斜面もあって自分の技術のなさを実感した。期待していたスキーはあっという間に終わり、都立大小屋に着いてしまった。小屋の中に入って休憩、次回の山行の係りなどを決めて期待を膨らませた。

今回も終日天気が良く、楽しめた山行でした。講師の方々、ありがとうございました!

 

受講生7

 

2月の最終週末、雪洞訓練に参加しました。

この訓練を振り返った今、自分が学んだこと、そして課題(個人的な)は、次の5つです。

地図読み

シール急登(特にキックターン!)

雪洞堀り

ルートファインディング

パーティーシップ

 

地図読み

私にとって、地図とコンパスを使った方向確認は苦悶でした。コンパスの使い方を教えてもらったのに、正直未だに使えるか定かではありません。視界の良い日に地図から自分の位置確認が出来なくては、ホワイトアウトの時はどうなるんだ!!と自分にがっかりしました。他の班員のみなさんは見える山がどこなのか、すぐ地図から読み取っていたので、これから修行せねば・・・と心に誓いました。

2万5千分の1の地図では、小さすぎて地形が判断しにくいと感じました。拡大してきちんと予定ルートを書き込んでいる人の地図を見て、反省しました。

 

シール急登

シール初心者の私にとっては、ズリ落ちるくらいの急斜面。ジグザグに登っていくためにはキックターンが必須でした。けれどもキックターンに苦労しました。学んだことはシールを信じる。短い距離であれば、思い切って板を背負ってツボ足で登る方が時間的にも体力的にもロスが少ないことが分かりました。

 

雪洞堀り

雪洞は、3m以上積雪があり、掘った雪を捨てられる斜度がある場所がよいと認識しました。雪洞はテントや山小屋の変わりだけではなく、遭難した時に掘ると聞いて、なるほどと思いました。雪洞掘りは初めてで、2班合同の大きな雪洞を掘りました。なるべく雪はブロックを掘ること、ヒモ付きのシートで雪を外に出すetc.・・・コツは色々あったけど、とにかく無心になりますね。2方向から掘り進めて、貫通した時はちょっとした感動でした。仕上げでは、床と天井を平らにすることがポイントのようでした。こだわりのトイレも立派でした。

食事はH谷さんが用意してくれました。すぐ食べることのできるおつまみのレトルトパックとか鍋の具材を下茹でしてきたりとか、どれもへえーーーと思うことだらけで、勉強になりました。もちろん美味しいお酒も学びました!メインは白菜の鍋(名前はもう忘れてしまいました・・・)で、シンプルで相当美味しかったです。雪洞の中は以外と暖かくて、寝る時も薄手のダウンとウエアを着込んだ状態で3シーズン用のシュラフでも寒さで目覚めるということはありませんでした。朝、思っていたよりシュラフカバーが濡れていなくて、天井を平らにしたおかげだと教わりました。雪洞生活でゾウ足の必要性を感じました。外に出る時(主にトイレ)、銀マットとエアマットだけでは冷たい床の上・・・快適に過ごすには必要ですね。

 

ルートファインディング

鍋倉頂上で滑るルートの説明があったが、よく理解しないままスタートしてしまいました。その原因は、事前に下るルートをよく検索してこなかったからだと思います。先頭だったら全然ダメだったと思います・・・(K藤さんありがとうございます)

途中で結構深い沢を渡る場面で、結構苦労しました。どのくらい深い沢だったら登らずに渡れるのか、もっと手前から渡れなかったのか、など現地で思うことがたくさんありました。今回、一箇所尾根を行き過ぎて、トラバースする場面がありました。その時そのまま降りていった班もあったので、そのまま行けるという判断と計画したルートに戻るという判断をどのように選択するのかなと思いました。そういった判断が出来るようになるには何年かかるんだろう??と気が遠くなります。

 

パーティーシップ

今まで、講師+生徒、ガイド+客のような形でしか山に行ったことがなかったので1つのパーティーではあってもいざとなったら講師やガイドが何とかしてくれるという甘えがあったと思います。今回は、講師の方はついてくれていましたが、自分たちだけのパーティーシップが求められていたと思います。歩くペース、休憩の感覚、滑るルートや距離など、全員の体力や技術に合わせて行くという感覚を初めて学んだような気がします。パーティーシップが実は今後の最大の課題かも・・・と思っています。

 

まとめ

雪が少なく、快適な滑りが出来た場所は全くなかったけれど、それ以外は課題も見つかり、充実していたと思います。雪洞掘りは思っていた以上に面白く、もうあんなに立派なものは掘れないだろうけど、雪洞は荷物が軽くなるし、何よりそんなに寒くもなく、わりと快適に眠れることが実感できた事は、今後必ず役に立つ日が来ると思います。

H谷さん、K藤さん、H田さん、S塚さん、お世話になりました。ありがとうございました!!