カリキュラム
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歩行(登行)

歩行(登行)は山スキーの大きな要素で、それ自体も滑降と同様に楽しさの一つです。雪のコンディションや地形に適した効率良い登行技術を学びます。

 

1 歩行
2 シール登高

  地形に応じた歩き方(直登高・斜登高・歩幅・クライムサポートによる登高)

  ラッセル

  スキー・シールの着脱

3 方向転換

  V字転換

  扇形転換

  キックターン

4 スキーを脱いての歩行

  歩行技術と道具

  板の携行方法

5 ルートファインディング
climbing

 

滑降

スキーでの滑降が最大の魅力であり、快適に滑降するための技術を習得します。

 

1 深雪

  圧雪斜面と異なり、体の上下運動を意識する。安全性を考慮して、斜度、速度、障害物に注意する。

2 悪雪

  安全を第一に考慮して、斜度、速度、障害物に注意する。

3 タイトな斜面での下降技術

  危険回避の急停止

  横滑り・木の葉落し・ギルランデ

power skiing

 

読図

読図は目的地へ安全かつ効率的に移動するための必要不可欠な技術です。地図、コンパス、及び高度計を用い、良好な視界下での現在位置同定と進路が求められる事が目標です。行動中ではこまめに地図・コンパスを見て、使いこなせるように練習しましょう。不良な視界下では衛星航法システム(GPS)による支援ができるようになる事を目指します。

 

1 地形図の見方

  地図の加工

  読み方

2 コンパス・高度計の使い方

  現在位置同定

  進路の求め方

3 地図表示のできないGPSの使い方

  現在位置の求め方

4 地図表示のできるGPSの使い方

  現在位置の求め方、進路の取り方

ski plan map1

 

ビヴァーク

急激な天候の悪化や装備の故障などで目的地へたどり着けなくなった時、緊急避難的に野営(ビヴァーク)をします。だれもがいつかは経験する不測の事態、最善の判断ができるよう、雪洞を実際に掘削し、その中で一晩過ごす体験を通じて知識を身につけ、又、必要な装備の使い方を習得します。

 

1 ビヴァークに対する考え方、およびその形態

2 ビヴァーク判断のポイント

3 必要な装備

4 ビヴァーク-場所の選定

5 雪洞-場所の選定

6 雪洞を掘り出す前に

7 雪洞を掘りだす

8 雪洞内の生活、就寝
9 翌朝、出発の前に

snow cave

 

冬山気象

荒天の冬山では行動範囲が限定され、又、メンバー間の意志の疎通が難しくなり、多くの山岳遭難の原因となります。典型的な気象サイクルとそれに起因する山岳遭難事例を学び、荒天の範囲を特定します。山行準備段階では気象予報を頼りに行動プランや装備を決めます。また山行中には悪天の前ぶれとなる気象事象を学び、現場判断の材料にします。荒天下での行動を最小限に留める事が目標です。

 

1 気象のサイクル

  ①西高東低型

  ②2つ玉低気圧

  ③南岸低気圧

  ④日本海低気圧

  ⑤移動性高気圧

2 低気圧について

3 高気圧について

4 天気図について

5 今冬の長期予報

weather

 

雪崩判断

良い滑走斜面と雪崩リスクは隣合わせです。雪崩の可能性がある雪崩地形を認識すると共に、積雪の不安定度評価の基礎を学び、雪崩リスクが少ないルートを選択できる事を目指します。不測の事態における仲間のレスキューでは生存確率を増やすため、時間的な危機感を持ったシミュレーションを反復して行います。学術的な部分は最低限に留めた実践的な内容となっています。

 

1 レスキュー

  ①ビーコン(着脱・電源・種類・動作確認・捜索方法)

  ②プローブ(使用法・組立方法・挿し方)

  ③初期捜索

2 地形判断

  ①雪崩地形

  ②安全行動様式

3 不安定度評価

  ①行動中

  ②断面観察

  ③テスト(シャベルコンプレッションテスト・ルッチブロックテスト)

4 埋没体験

search

 

装備

効率良い行動をする為、及び、遭難を未然に防ぐ為、装備の正しい使用方法を学びます。近年の装備の進化は軽量、高性能といった恩恵をもたらしましたが、種類も増え選択に悩まされます。過酷な冬山のコンディションで使用する装備の選択は、軽量性や価格より信頼性や使い易さを優先させる場合もあります。たとえば雪崩ビーコンは生存を目的とするレスキューでは不可欠ですが捜索時間と価格はほぼ半比例関係にあり値段だけで決めてしまうと目的が達成できなくなる可能性もあります。自分の目的に合致した装備を選択できるような知識、及び手段を学ぶことが目的です。フィールドで壊れた時の応急処置方法やシーズンオフ時のメンテナンス方法も知っておく事も有効です。

 コース概要のページに装備表が掲載されていますので参照してください。

 

1 山スキー固有の用具

2 ビーコン・プローブ・シャベル

3 ウェア

4 その他の用具

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総合実践山行

山スキー山行の計画から実行までの一連作業を受講生が主体となって協力しながら達成していきます。山では複数の人間が協力しあっていく事が、大きな目標を達成していくための有効な手段だと考えます。グループで目的を定め、山行スタイルを探しだし目的を達成した時の喜びを共にわかちあいます。

 

1 山行計画の立て方(山行準備)

  任務分担

  ルート設定

  エスケープルートの選定

  共同装備・個人装備

  食糧計画

2 行動判断

  ルート判断

  天候判断

  雪の状態の確認

  危険地帯の認識と処理

  パーティーシップ

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