「東京山スキー学校の講習内容はとても実践的で濃いものでした...」 印刷

◆受講生4

 

1/1819 栂池周辺で雪崩対策訓練

初回の実技講習では、「雪崩に遭わないために」をテーマに栂池周辺で、雪崩埋没者捜索の実施訓練と実際の地形を見ながら雪崩地形のレクチャーを受けました。講習内容は、雪の中に埋められたビーコンを受講生が何度も繰り返し探す形式で、かなり実践的です。

1日目は、午前中、受講生一人ずつで埋没ビーコンを探し。雪崩対策三種の神器と呼ばれるビーコン、プローブ、スコップの使い方を徹底的に教わります。午後は講師陣が雪崩遭難者、受講生が救援者という設定で受講生同士がチームを組んで捜索訓練をしました。それぞれが役割を決めて捜索しますが、慣れていないとスムーズに動くことができず、練習の積み重ねが必要だと思われました。

2日目は栂池スキー場から約30分ハイクアップした林道沿いの斜面でCT(コンプレッションテスト)の仕方を教わり、締めは等身大人形を使った雪崩埋没者捜索の訓練でした。徐々に受講生同士のチームワークも出てきて、昨日よりもスムーズに発見することができて嬉しい気分です。

 

2/12 かぐらでアクシデント

実技講習2回目は、山スキーの基礎 (歩き方・登り方 滑走技術 読図等)ということで、かぐらスキー場周辺での講習でした。

 

1日目、今日は雲一つ無い快晴。かぐらスキー場のリフトを乗り継ぎゲレンデトップへ。途中のかぐらゴンドラ内ではO川講師から周囲の地形を見ながら雪崩やすい地形のレクチャーを受けます。

 ゲレンデトップでシールを貼り、ビーコンチェックしてハイクアップ開始します。斜度がきついところでは方向転換の仕方を教わりつつ、ジグザクに登高します。この方向転換が慣れないと難しいです。霧ノ塔で昼食後、地図とコンパスでこれから目指す雁ガ峰の方向を確認します。天気の良い時ばかりではないので、方角を確認する習慣を身に付けることが必要と教わりました。

続いてCTを行い、滑走可能と判断し、滑走開始です。上部は軽い雪で順調に滑走。尾根伝いに進み、最後の登りで再度シールを貼って雁ガ峰へ。

 

・急斜面の林間コースで転倒負傷

 雁ガ峰からの下りは、難易度の高い急斜面の林間コースでした。加えて重い雪で、かなり滑りにくい斜面です。

そんな斜面で、やってしまいました。2/3くらい下ったところで、雪に足を取られて転倒し、スキーのエッジで右腕をザックリ切ってしまったのです。ポジションが悪くて、雪質の変化に対応できなかったのでしょうね。

怪我をした時の状況は以下のとおりでした。

急斜面の林間コースを斜め下に向かって滑り下りる→スキーのトップが雪に引っかかって、谷側に転倒にして一回転→そのまま板が下になって着地→勢いで右手を板の真横に付く→ウェアの袖が捲れてエッジで右腕の皮膚をスパッと切る。

みるみる血が溢れ出てきて、白い雪面が真っ赤に染まります。講師の方々が集まり、素早く絆創膏とテーピングで応急処置をしていただきました。適切な処置のおかげで血も止まったようです。O川講師に荷物を持っていただき、右腕を動かさないようにし、転ばないように斜滑降でゆっくり下り、ゲレンデに合流した時はホッとしました。

すぐにみつまたゲレンデの診療所に行くこととなり、他の受講生よりも先行して滑り下りて診療所へ。運良く自分以外に患者がおらず、待ち時間無しで診察して貰うことができました。お医者さんからは切れているのは皮下脂肪までとのことでちょっと安心。麻酔して四針縫って貰い治療完了しました。抜糸は2週間後とのことです。

 後日談として、消毒等のために3日後に近所の整形外科に行ったところ、傷口が綺麗で血も止まっているので、予定より早く一週間で抜糸できるだろうとの診断。その言葉どおり怪我から一週間後の土曜日に抜糸となりました。腕や手首の可動に全く問題ありません。

講師陣と受講生の皆様方にはご心配をお掛けするとともに、大変お世話になりました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。

 

2日目は、迅速な治療のおかげで血が止まっているので、休む理由が見付からず講習に参加しました。とはいえ再び傷口が開くのが怖いので、絶対転倒しないことを念頭に行動しなければなりません。神楽が峰までハイクアップし、CTチェック後に田代スキー場に向けて反射板コースを慎重に滑走します。この日は前日以上に暑く、板が掴まれているようなストップ雪を初めて経験しました。

 

2/2223 鍋倉山でラッセルと雪洞掘り

 前回の講習での怪我が回復してきたタイミングで、鍋倉山での雪洞訓練です。

雪洞泊のため、食料と酒などを詰め込んだ重いザックを背負ってシール登高で高度を上げていきます。別のパーティが谷を挟んで左岸の斜面にトレースを付けていましたが、我々パーティは、左岸だと雪崩の危険があるため、右岸ルートを登高します。

次第に雪が深くなりラッセル状態。先頭を交代しつつラッセルで登ります。ここでH谷講師に花魁歩きというラッセルの仕方を教わりました。最後の登りではトップでラッセルし、息を切らしながら稜線に到着しました。稜線の向こう側には日本海と上越の街が見えて感動です。

 稜線から少し下がった辺りで、今回のメインイベント、雪洞掘りです。これがかなりの重労働でH谷講師と受講生のSさんとMさんのおかげで広い雪洞が完成しました。

 

 2日目は、稜線上をシール登高して鍋倉山山頂に到着しました。山頂からはサラサラの雪の斜面を滑走し、途中でCTを行います。概ね安定の判断で再び滑走開始します。標高が下がるにつれて重雪になり、最後の急斜面では雪に足を取られて、何回も転倒し大苦戦でした。雪質が悪くなると自分の技術不足が良く分かりますね。

 

3/2930 蓮華温泉で卒業山行

今回は卒業山行ということで、自立した山スキーの実践を目的に、受講生が山行計画を立てて実行することになりました。リーダーM岡さんの下、入念に計画を練り、当日に備えます。しかし残念なことに当日はSさんとK平さんが参加できず、受講生4名のパーティとなりました。

1日目は、栂池自然園にて、いつものとおりビーコンチェックを行い、シール登高開始します。今日は晴天で北アルプスの景色が綺麗です。天狗原の手前の急斜面ではトップで登ります。先行パーティのトレースを追って、やや急なところで方向転換したところ、H谷講師よりすかさずもっと緩いところで方向転換するようにとのアドバイスがありました。

天狗原では集合写真を撮る時、受講生からのサプライズ。我々第11期からは東京山スキー学校へ横断幕を寄贈。講師陣の方々に喜んでいただけて良かったです。さすがM川さん、ナイスアイデア!

振子沢入口で当初予定どおりCTを行います。雪を掘るのも大変なくらい堅い斜面で安定と判断。振子沢では、ポイント毎にルート確認しながらの滑走です。途中からは目印が一定の間隔で付いており、目印に沿って進みます。

谷が狭まったところで左岸ルートを選択。これは後でS山講師から左岸の上に雪庇があって危険なので、右岸ルートを取るのが正解とのコメントありました。途中から自分がトップになって斜面をトラバースしつつ進んでいたところ、S山講師から注意がありました。開けた斜面で雪崩の危険があるのでスペーシングが必要とのお言葉。

林道に合流し、少し進むと橋に差し掛かります。この橋の前後が急斜面になっています。橋の上には雪が積もってガードレールが埋もれて両端が切れ落ちていて、とても危険です。その橋の手前を直滑降で滑り下りたところ、勢い余って左に逸れて橋から落ちそうになり、転んで滑落回避。危なかった!

この橋から蓮華温泉まではすぐそこ。蓮華温泉に荷物をデポしてシール登高で露天風呂へ。北アルプスの雪景色を眺めながらの温泉は最高でした。

 

2日目は朝から雨模様。午後から天候が更に悪化するとの予報があり、予定より早く出発です。シールを貼って林道を戻り、昨日の危険な橋を慎重にクリアします。事前の計画では角小屋峠への登り口まで林道沿いに進む予定でしたが、途中で林道から谷に下りるルートがあり、こちらの方が雪崩のリスクが少ないということでルート変更となりました。シールオフし林道から逸れてヤッホー平へ滑走します。

下りきったところで再びシール登高開始です。一定間隔でテープがあり、方向確認しつつテープを目印に進みます。途中のトラバースでは数カ所雪崩危険箇所がありスペーシングします。スペーシングが必要な箇所の要領が段々と掴めてきたかな。林道が左に大きくカーブするポイントで林道を外れ、角小屋峠への急斜面を登ります。

角小屋峠は風が強く、早々にシールオフしてワサビ沢に向けて滑走します。雨を含んだとても重い雪ではありますが快調に進み、ワサビ沢、白池を経て予定より早く木知屋に到着しました。皆様お疲れさまでした!無事に着くことができたのは、M岡リーダーと受講生の皆様のおかげです。

 

○全体を通じて

東京山スキー学校の講習内容はとても実践的で濃いものでした。自立した山スキーヤーにはまだ程遠いけれど、今回学んだことをしっかりと身に付けていきたいと思います。加えて山で怪我をしないで安全に楽しく滑るためにも、滑走技術も磨いていきたいです。

そして何より講習全体を通じて一番の収穫は、素晴らしい講師陣と受講生仲間と出会えたことです。本当にお世話になりました。どうもありがとうございました。