女子だけで入った温泉も良い思い出です 印刷

◆講習生 1

 

【きっかけ】

きっかけは数年前、山スキーのなんたるかも知らない私が雪山の山頂で休憩をとって居た時。5人ほどの外国勢グループが山スキーを背負ってやってきました。海外から来たであろう彼らは楽しそうに談話しながら何やら英語でもなく、フランス語でもなく。手慣れた感じのプロっぽい集団は準備を整え、歓声と共にカウントダウンしながらひとりずつそこから滑走し始めました。え!!こんな所からスキーでおりちゃうの⁇と呆然とその成り行きを見ておりました。帰りの尾根から見えた彼らのシュプールは青い空と、稜線全部と渾然一体となり美しすぎてもう、なんてカッコいいんだろうと憧れてしまったところから「山スキーって何だろう」が始まりました。その後なんとか独力で装備を揃え、スキーのツアーにも参加したものの、やはり基礎に不安を感じていた時にこの山スキー学校に出逢う事ができたというところから始まりました。

 

【装備と費用】

山スキー学校は12月の座学から始まりました。私はとりあえずのセットはそろえていましたがまだ揃えていない人も最初に講師個人の装備を実際見せて頂けて、絶対必要なもの、あった方が良いもの、便利なものを教えて貰えたのは参考になると思います。提携ショップとの割引券まで頂けたのは助かりました。費用については装備に20~30万円は覚悟しておいた方が良いと思います。

 

【山スキー学校に期待した事と実際】

16期は初心者が多く、私も1年目に自分でツアーに参加した程度でほぼゲレンデのみの経験。実習1日目で分かりましたが、山スキーの滑り方は教えて貰えないこと。キックターンや歩き方などの細かな技術については2回目のかぐらで 教えてもらえます。受講生一人一人のレベルが違うので断言は難しいですが基本的にスキーはある程度出来ていないと講師や他の生徒の皆さんに迷惑を掛けるだけでなく、怪我やツアーの計画にも誤差を生じさせてしまうリスクがあります。可能な限り個人的な練習はしておいた方が良いなと思いました。特に実習1日目は天候や雪の状態が悪いと這々の体で降りる事になりこんなハズじゃ無かったのに。と半ばトラウマになるかもしれません。実習1日目に自分に何が必要か、気がつくと思います。他については割と初歩の初歩から教えて頂けたと思います。

 

【座学と実習】

●座学実習が始まる前に、必要な基礎知識を習得させていただけて良かったです。冬山の気象 、雪崩の基礎知識、CT、地図読みについて実践に備えて受講することで無駄なく実習時の理解を深める事ができました。学校を終えた今だからこそ、どの知識も本当に必要で今後も更新しなくてはならない基礎勉強でした。

 

●実習① 谷川岳 雪崩訓練

16期で初めて他の山岳会と連携して行われた雪崩訓練でした。実習が主体でビーコン操作、弱層テスト、雪崩レスキュー、ビーコンの使い方について細かな指導もあり自分がやりがちなミスや落としがちな工程も指摘してもらえました。雪崩レスキューは実際の雪崩救助を想定して行われ、汗をかきながらシャベルで遭難者を掘り当てる作業は大変良い経験でした。生徒が講師と共に初めてスキーを共にする日でした。谷川岳スキー場はその日深雪ですでに荒れていたのもあり生徒は転ぶわ、起きられないわ、中には時間内にスキーで下山出来ずリフトで降りる生徒もあり、講師から「16期生の皆さんスキー鍛錬各自(下手だから)怠らぬように」と注意をうけた事が逆にこれから実習の心構えが出来ました笑。

 

●実習② かぐら峰 和田小屋

16期生にとっては良くも悪くも、山スキーの概念を変えた一日であったと思います。詳細は割愛させていただきますが今回の悪天候の中の怪我人の救助と、OBの遭難(訓練ではなく本当に)が同じエリアで同時に発生した事で山スキーというスポーツがいかに天候やコンディションに左右されるもの、熟達者であっても小さな気づきを見落とすことで生命を左右する事態を引き起こしかねないリスクを伴ったものであるかを、身を持って学ぶことができました。それでも緊急事態にもかかわらず、和田小屋のファーストトラックを経験出来、ゲレンデでの練習となりましたが講師の一人一人が任務を全うされ授業も行われ変え難い経験をさせていただいたと思います。

 

●実習③ 鍋倉山

雪洞訓練15キロ前後を背負ってシール歩行。我ながら自分の体力のなさを恨みながらも交代で巨大で美しいブナ林を全員で登り黒倉山まで到着雪洞設営地まで。天候にも恵まれ眺望も日本海まで望みつつ雪洞設営に3時間ほど。手慣れた講師陣の指導の元、万一雪洞設営することになった場合のヒントやコツ、テクニックを伝授いただいたと同時に、あっと言う間に過ぎる時間に要領よく快適な環境を作らなくてはいけないのだなと実感しました。講師陣が食材を用意して下さり、簡単にできるツマミを作り堪能しながらメイン料理を作るなど参考になることばかりで、今後のテント泊のスキーツアーにも活かすことができそうです。寒がりの私でも暖かく楽しい夜を過ごすことが出来ました。翌日楽しみにしていた鍋倉山もあっという間でした。

 

●実習④ 卒業山行

栂池自然園 ー天狗原ー蓮華温泉ー木地屋チームを2班に分けての卒業山行。講師の方々は一切口出しせず後ろからついてけるだけ。ルートファインディングや時間を自分達だけで管理するという総合実技。事前に都内で講師抜きにてミーティングを行うことでチームワークにまとまりが出来、当日体力のない私にも他の2人は付き合ってくれてとてもありがたかったです。振子沢でのCTはカリカリで強風の為カット。各所で行う地図読みやルートファインディングも視界が良くランドマークとなる山々を確認しながら無事に蓮華温泉までたどり着く事が出来ました。待望の蓮華温泉。女子だけで入った温泉も良い思い出です。翌日も雪崩が起こりそうな箇所は1人ずつ走行する、急登の角小屋までをジグをきりながら登るなどありましたが、とても楽しく終えることが出来ました。

 

【最後に】

本当に最後まで受講出来て良かったと言うのが一番です。山スキーがこんなにも怪我や遭難、雪崩のリスクを伴うものとは意識していませんでしたが、CT、地図読み、ルートファインディング、天気読み、山スキー学校を通して多くの事を勉強し、経験する事ができました。講師の皆様に対しても多くの事を 実技を通して教えて頂きご配慮等ありがとうございました。やっと山スキーの入り口に立つことが出来、何もかもこれから経験を積んでいく事になりますが講師の方々や、他の生徒の皆さんと今回ご一緒出来た事を感謝しています。何よりもひとりで悩んでいた中、山スキー学校を通じて皆さんと出会えて良かった。これからも各自が鍛錬を積んで、また新たな山スキーでご一緒していけたらと祈るばかりです。楽しかったです!また宜しくお願いします!